Bank of Japan press conference —
Bank of Japan press conference, 24 January 2025. The BOJ held rates at 0.25%. The transcript indicates the Bank of Japan raised the policy rate to 0.5% and signals continued gradual rate hikes if the economic and inflation outlook is realized, with an overall hawkish lean.
Featuring Kazuo Ueda
What this says
we have changed the target for the uncollateralized overnight call rate—the policy interest rate—from the previous level of around 0.25% to around 0.5%.
Member Nakamura opposed the change to the monetary market adjustment policy, stating that a decision should be made at the next Monetary Policy Meeting after confirming through the Corporate Survey and other data that the earning power of companies has increased.
the underlying inflation rate is gradually rising toward the 2% price stability target
uncertainty surrounding Japan's economy and prices remains high—including overseas economic and price trends, resource price trends, and corporate wage- and price-setting behavior—and that it is necessary to closely monitor trends in financial and foreign exchange markets and their impact on Japan's economy and prices.
if the economic and price outlook presented in this Outlook Report is realized, we believe we will continue to raise the policy interest rate and adjust the degree of monetary easing accordingly.
Going forward, if the economic and price outlook is realized, there is no change to our basic thinking that we will continue to raise the policy interest rate and adjust the degree of monetary easing accordingly.
we do not currently see a serious 'behind the curve' phenomenon, nor do we believe the policy interest rate is at such a level.
if the inflation rate or underlying inflation rate gradually rises, and an extremely loose monetary environment with low interest rates is maintained for too long, the inflation rate tends to spike later.
we believe the appropriate response is to move gradually while confirming the effects of the actions taken.
If this occurs by a significant margin—for example, shifting up by 2% compared to before—the probability that the underlying inflation rate rises significantly or converges toward our target becomes very high. This would be a factor that makes it possible to move toward the neutral rate or accelerates the speed toward it.
Within that overall range, we believe that even if the current policy interest rate becomes 0.5%, there is still a considerable distance to the neutral rate.
Therefore—or rather, in any case—after interest rates are raised, we will always monitor the impact carefully.
The movement where last year's wage increases are gradually reflected in prices is continuing, which is why it is 'on track.'
we saw an increased probability that the underlying inflation rate will converge to 2% somewhere in the latter half of the forecast period, roughly in fiscal 2026. That is the primary reason for the rate hike.
Given that the economic and price outlook is as I described, we judged that this should not be a reason to stop moving. Of course, uncertainty remains regarding what policies may come from the new US administration. As I have been saying, because uncertainty is very high and we cannot make a definitive guess, we have no choice but to analyze properly once the specific form is decided, incorporate it into the outlook from that point forward, and respond if necessary.
Rather, in terms of the impact on various areas currently, there is always a risk that the underlying inflation rate will be lower than previously seen, but that downside risk is working in a direction that is slightly decreasing. In that sense, I believe we are in an environment where it is easier to say that the probability of the outlook being realized is increasing.
I am very sorry, but I would like a little more time. The reason is that this is fundamentally a very difficult problem.
Ultimately, I think this is a question of what to do about the pace of interest rate hikes. Including the impact of this rate hike, I intend to make judgments by carefully looking at future data and information.
If asked whether the probability of returning to deflation over a long period in the future is almost zero, I cannot say I am entirely confident, but it is certain that it is currently very low.
Looking ahead, as I mentioned, we have put out a forecast of high growth in consumer prices through fiscal 2025, but this is more 'front-loaded,' and we envision it declining toward 2% in the second half of this year, partly due to the cost-push nature. Therefore, if wage increases continue, I believe real wages will turn positive.
this time, if we look at the figure excluding fresh food, the period of exceeding 2% has continued for around three years, which I believe is a very significant difference. However, that does not mean we can just raise rates rapidly; I certainly intend to proceed cautiously without taking it lightly.
Regarding our adjustment of the degree of easing—this may sound like a dream—we started from a point of extremely strong easing and have been gradually tightening it. I believe the best outcome would be a 'smooth landing' where we gradually bring the degree of easing toward zero without ever going to a very high positive real interest rate, and when it reaches zero, the inflation rate has successfully converged to the target.
However, since the margin of revision is small, it may affect the neutral rate, but that too would be a very slight revision.
As I have mentioned before, I am not conscious of any specific number as a 'wall.' However, if it truly becomes a wall, or if it gets extremely close to the neutral rate, or slightly exceeds it, I believe some reaction will occur in the economy.
Regarding the next rate hike, rather than the trend of the growth rate, I intend to make a judgment based primarily on whether the price outlook is being realized—specifically, whether the probability is increasing that the underlying inflation rate converges to 2% toward the latter half of the forecast period, roughly in fiscal 2026. That remains unchanged from before.
Transcript
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2025年1月27日 日本銀行
総裁記者会見 ――2025年1月24日(金)午後3時30分から約70分
(問) 本日の金融政策決定会合の内容について、展望レポートの内容も含めてご説明をお 願いします。
(答) 今日の決定会合ですが、 金融市場調節方針について、政策金利 であります無担保コ ールレート・オーバーナイト物の誘導目標をこれまでの 0.25%程度から 0.5%程度 へと変更しました。また 、これに伴い、補完当座預金制度の適用利率および基準貸 付利率の変更も決定 致しました。なお 、これに関しまして、中村委員は、次回の金 融政策決定会合において、法人企業統計等で企業の稼ぐ力が高まったことを確認し たうえで、金融市場 調節方針の変更を判断すべきであるとして、金融市場調節方針 等に反対されました。
このほか、今日の会合では、貸出増加支援資金供給について、予定通り本年 6 月末 をもって新規の貸付を終了するとともに、本資金供給を円滑に終了する観点から、 経過措置として 7 月以降、2025 年中は、満期到来額の半分を上限として、貸付期間 1 年の借り換えを認めることを全員一致で決定致しました。
続いて、今日の政策変更の背景にあるわが国の経済・物価について、展望レポート も参照しつつ、簡単にご説明します。わが国の経済・物価ですが、これまで示して きた見通しに概ね沿って推移しており、先行き 、見通しが実現していく確度は高ま ってきていると判断しました。すなわち、経済の現状を みますと、一部に弱めの動 きもみられますが、緩やかに回復しています。賃金面では、企業収益が改善傾向を 続け、人手不足感が高まるもと、本年の春季労使交 渉において、昨年に続き、しっ かりとした賃上げを実施するといった声が多く聞かれています。先行き 、名目賃金 や雇用者所得は増加を続けるとみられ、わが国経済は、所得から支出への前向きの 循環メカニズムが徐々に強まることから、潜在成長率を上回る成長を続けると考え られます。物価面ですが、賃金の上昇が続く もとで、人件費や物流費等の上昇を販 売価格に反映する動きが広がってきており、基調的な物価上昇率は、2%の物価安定 の目標に向けて徐々に高まってきています。こうしたもと、生鮮食品を除く消費者 物価の前年比は、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響は減衰してきて いるものの、このところの為替円安等に伴う輸入物価の上振れもあって、2024 年度 が2%台後半となった後、25 年度も2%台半ばとなる見通しです。この間、海外経済 は緩やかな成長経路を 辿っており、様々な不確実性は意識されているものの、国際 金融資本市場は全体として落ち着いていると判断しています。こうした状況を踏ま えて、今日の会合では、2%物価安定目標の持続的・安定的な実現という観点から、 金融緩和度合いを調整することが適切であると判断しました。政策金利の変更後も、
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実質金利は大幅なマイナスが続き、緩和的な金融環境は維持されるため、引き続き 経済活動をしっかりとサポートしていくと考えています。なお、展望レポートでは、 リスク要因について、海外の経済・物価 動向、資源価格動向 、企業の賃金・価格設 定行動など、わが国経済・物価を巡る不確実性は引き続き高く、金融 ・為替市場の 動向や、そのわが国経済・物価への影響を十分注視する必要があると評価しました。 特にこのところ、企業の賃金 ・価格設定行動が積極化するもとで 、過去と比べると、 為替変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面があると考えています。
今後の政策運営については 、先行きの経済 ・物価・金融情勢次第ですが、現在の実 質金利がきわめて低い水準にあることを踏まえますと、今回の展望レポートで示し た経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて引き続き政策金利を 引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えています。日本銀行 は 2%の物価安定の目標のもとで、その持続的 ・安定的な実現という観点から 、経 済・物価・金融情勢に応じて適切に政策を運営していく方針です。
(問) 幹事社から二問お伺いします。まず追加利上げを決めた理由について伺います。総 裁は 12 月の会見で、利上げの判断材料として、春闘でのモメンタム、米国のトラン プ新政権の経済政策の不確実性、円安の物価への影響を挙げていました。それぞれ の見方がこの 1 か月でどう変わったのか、変わっていないのか、それが政策の判断 にどう影響したのか教えてください。
二問目は、利上げの影響と今後のペースについてお伺いします。0.5%への利上げに よる実体経済への影響をどうお考えでしょうか 。それも踏まえた うえで、0.75%以 上となる今後の 利上げについては、これまでと同様の考え方、ペースで進めていく んでしょうか 。それとも、利上げが企業とか家計に与える影響 をこれまでより慎重 に見極めていくということもあり得るのでしょうか、考え方を教えてください。
(答) まず先ほど申し上げましたように、今日の会合では、展望レポートの見通しについ て議論しまして 、わが国の経済・物価が、これまで示してきた見通しに概ね沿って 推移しており、先行き見通しが実現していく確度が高まってきていると判断しまし た。ご指摘頂いた今年の春季労使交渉ですが、昨年に続き、しっかりとした賃上げ の実施が見込まれると判断しました。すなわち、今年も賃上げを継続するという企 業の声が増加している ほか、支店長会議では、継続的な賃上げが必要との認識が幅 広い業種・規模の企業に浸透してきているという報告もありました。また 、各種の アンケート調査でも、昨年の同時期対比で賃上げの実施を計画する先が増加してい ることを確認 致しました。米国についてですが、まずインフレ率が低下するもとで、 様々なデータを みますと、経済がしっかりとしていると評価しました。また、今週 入り後、トランプ 大統領が就任し、政策の大きな方向性が示されつつありますが、 その後も国際金融資本市場は 、全体として落ち着いていると判断しました。輸入物 価ですが、前年比で みれば、引き続き抑制された水準にあるという点は変わりはな いとみています。ただ、前回 10 月の展望レポート時点との対比でみますと、為替円 安等に伴い、輸入物価が上振れていまして、本日取りまとめた新しい展望レポート
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では、先ほど申し上げましたが、消費者物価の見通しは、24 年度が 2%台後半とな った後、25 年度も 2%台半ばと高めとなりました。こうした状況を踏まえ、2%目標 の持続的・安定的な実現という観点から、金融緩和度合いの調整をすることが適切 と判断したところであります。
それから、利上げの影響と今後のペースに関する ご質問ですが、今回の金利引き上 げは、昨年 7 月の 0.25%への引き上げ時と同様、市場金利等の上昇を介して、経済 に影響を及ぼすと考えています。 もっとも、今回の金利変更後も 、実質金利は、繰 り返しで恐縮ですが、大幅なマイナスが続くことになります。従って、緩和的な金 融環境が維持され、引き続き経済活動をしっかりとサポートしていくと考えていま す。今後ですが、経済・物価の 見通しが実現していくとすれば、それに応じて引き 続き政策金利を引き上げ 、金融緩和度合いを調整していくという基本的な考え方に 変わりはありません。その うえで、緩和度合い調整のペースやタイミングについて は、今後の経済・物価 ・金融情勢次第であって、予断は持っていません。毎回の決 定会合において、その時点で利用可能な各種のデータ ・情報から、物価・経済の見 通しやリスク、見通し が実現する確度を随時アップデートしながら 、適切に政策を 判断していきたいと思っております。
(問) 今回出された展望レポートで、物価見通しですが、特に 25 年度、0.5%の上方修正 と、大幅な上方修正になってますけども、これ米の価格の上昇とか、輸入物価の上 振れということですが、この大幅な上方修正を受けてですね、日銀の利上げがビハ インド・ザ・カーブに陥るリスクっていうのは出てきているのかどうかということ ですけども。市場は日銀が大体半年に概ね 一度利上げということを想定してますけ ども、もっと早めに金融の緩和の度合いをですね、調整しなければいけないという 場面が出てくるのかどうかというところをまず伺えないでしょうか。
もう一つトランプ政権ですけども、大統領就任直後はですね、高関税政策の発動、 即時の発動というのはですね、見送られたわけですけども、これは実際に発動され た場合ですね、米国のインフレを再燃させ、為替相場にとっては円安ドル高が加速 すると思います。こうした状況では輸入物価の上昇を通じて、日本の国内物価の上 振れリスクを招くということもあるかと思いますが、その場合はですね、日銀は、 早めのですね、利上げっていうことで対応することになるのか。またもう一つのシ ナリオとして貿易戦争が激化して、報復関税の応酬となって世界経済の下 振れリス クが高まるという、そういった場合にはですね、現在日銀が進めている金融緩和の 度合いを調整していく、政策金利を中立金利に戻していくという、こういう作業が ですね、中断される場合もあるのか、この二つのシナリオをどうみているのか伺え ないでしょうか。
(答) 最初のビハインド・ザ・カーブになりつつあるのではないかという点ですけれども、 この消費者物価全体、ヘッドラインといいますか、ここでは除く生鮮ですが、これ がおっしゃるように 25 年度にかけて、少し大幅に上方修正になっています。ただこ れは、私どもの現在の見通しで は、取りあえずカレンダーイヤーで 言って、今年の
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半ばくらいまでの上方修正で、その後は落ち着いてくるものというふうに みていま す。その理由はおっしゃったように、ここの原因がコストプッシュ的なものである からです。一方で、いつも申し上げてる、目に見えないもので恐縮ですが、基調的 な物価上昇率については、見通しに沿って緩やかに上昇し続けているという範囲に とどまっているか なというふうにみています。従って深刻なビハインド・ザ・カー ブ現象、あるいは政策金利がそういう水準にあるというふうには今のところみてお りません。
それからトランプ政権の関税政策の影響ですけれども、これはもちろんアメリカが 関税を引き上げたときに、どういう影響があるか、更に報復関税が他の国によって 採用されたときに、総合してどういう影響があるか、それぞれインフレ率、世界経 済、いろんな影響があると考えられますが、現状ではアメリカのそもそもまず関税 の規模であったり、広がりについても非常に不確実性が高い、決まっていないとい う段階であるとみています。従って、具体的にこうなりそうだということを申し上 げられる段階ではないかなと思います。ある程度固まり次第、私どもの見通しにも なるべくきちんと反映させ、それに応じて政策運営にも 生かしていきたいというふ うに思っています。
(問) 一点目が、段階的な利上げを進める理由についてです。日銀は基調的な物価上昇率 が 2%に向かって上昇していくことが見込まれるために利上げを進めているという のが理屈だと思うんですけれども、率直にちょっと分かりにくいなというふうに思 ってまして、経済を冷やす効果があるというふうな側面もある利上げというのを続 けていくことの説明をもう少し分かりやすい言葉でご説明頂けますでしょうか。
もう一点が、金融政策の運営方針についての情報発信です。昨年 3 月からカウント して 1 年足らずで 3 回利上げ判断をしたことになると思うんですけれども、これか ら 0.5%程度っていうの を含めて日本の経済社会が長らく経験していなかった政策 金利の水準になってると思うんですけれど、こういった利上げが経済社会に与える 影響とかをかんがみて、今後、中立金利に近づいてきたときに、利上げをどのぐら いのペースで進めていくかみたいなところについて、考え方をもう少し詳しくはっ きりと説明する機会はあるんでしょうか。
(答) 利上げを行っていく理由が分かりにくいという話と、段階的 に何回かに分けてやる のが分かりにくいと、両方ご質問の中にあったと思いますが、まず利上げをしてい く一般的な理由としては、インフレ率が徐々に上がっていく、あるいは基調的なイ ンフレ率が上がっていく中で、きわめて金融緩和度合いが強い状況、金利が低い状 況をあまり長期間続けますと、インフレ率が後になって急上昇する、そうするとそ こでものすごい急激な金利の引き上げを迫られることになりがちである。これは歴 史的にもいろんな国で時々みられた現象です。そうなってはコストの方が大きいの で、まず経済の体温あるいは物価の情勢に合わせて、 適宜利上げをしていくことが 必要であると考えています。更に利上げをした場合に、影響はどうなんだっていう のが二番目のご質問ではありますが、その影響は必ずしも事前にはっきりとは分か
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らないという部分もありますし、それから、他方で、どれくらい基調的な物価上昇 率あるいは予想インフレ率みたいなものが現在上がりつつあるのかっていうのも、 データで分かる部分もあるし分からない部分もあるという中では、やったことの効 果を確かめつつ段階的に動いていくというのが適切な対応かなと思っています。
それから、今回 0.5[%]に引き上げたことの影響についてどう考えるか、あるいは、 今後、引き上げのペースについて詳しく説明する意図はありや否やというご質問だ ったかと思いますが、もちろん今回の利上げの影響については、詳しく検討したい と思います。これは、去年の3 月、7 月の利上げのときも行ったことですが、まず利 上げの影響はマーケットに出て、それがいろんな、一方で借り手、企業、家計、場 合によっては政府、それから資金運用主体、その中に預金者が含まれますが、それ に少しずつ及んでいくということかなと思います。それは金利の動 きであったり、 経済主体の行動にどう影響を与えるかというところを丁寧にみていきたいと思いま す。ただその中で、一方で、利上げだけではなくて、インフレ率が上がったり賃金 も上がっているということの中で利上げの影響を考えていくということが必要かな というふうに思います。今後の利上げの考え方の基本線については先ほどお話しし た通りで、これまでと同様でございます。今のところはペースあるいはタイミング について予断を持っていなくて、今、直前に申し上げたような、今回の利上げの影 響はどういうふうに出てくるかということも確かめつつ、今 後の進め方を決めてい きたいというふうに思っております。
(問) 二点伺います。まず、不確実性が高い環境のもとでの政策判断、意思決定について 教えてください。前回の総裁会見での発言ですとか、その前後の日銀の発信をみま すと、賃金・物価動向とか、トランプ政権下の影響に関する表現で、不確実性とい う表現とリスクという表現、あと定量化という言葉を組み合わせて発言・発信され てるケースが目につきます。総裁、こういった言葉は市場とのコミュニケーション で使う場合に、特に不確実性とリスクなんですけれども、明確に切り分けて使われ ているのか、少し専門的なんですけれども ケインズの確率論ですとか、もし くはま たそういう思想に似た考え方を今の政策判断のよりどころとしているのか、政策運 営に対する考え方を教えて頂ければと思います。
あともう一点が今後の利上げスタンスについて伺います。先日の氷見野副総裁の講 演で、国内経済の構造的な課題についても、その解消に向けて前向きな言及が多く みられました。長年続いてきたその課題を乗り切る経済がかなり近づいてきている ようにみえるんですけれども、そうした中で今後の利上げが 1 回ですとか 2 回で済 むものなのか、現状の認識を伺えればと思います。
(答) 前半は前回も若干議論があったと 思いますけれども、不確実性とかリスクという言 葉について、どれくらい深い意味を込めて使ってるのかというご質問だと思います が、学界とか中央銀行界の一部で 時々使われる使われ方として、将来全く分かんな いっていう種類の不確実性と、どこかの国で例えば金利が上がるというような政策 変更がありそうなんだけれども、そこまでは分かってるけど何%になるかは分から
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ない、ただ 1%上がる確率が 5 割ぐらいでもうちょっと上がる確率が 5 割ぐらいと か、そういうふうにある程度若干なりとも定量化できるような、しかしそういう中 で不確実なケース、後者を risk と読んで、前者を uncertainty というように区別す るというような用語法を、確かナイトという学者が提唱して、それが一部で使われ 続けているということがあると思います。私どもも両方の意味で、 時々使ったりし ますので、ごちゃごちゃになったりして申し訳ないと思いますが、ただし私どもが 物価やGDPの見通しを作るときには、ある程度定量化できる部分と定量化できな い部分がかなり大事になってきますので、そこでは分かんないけど、どう出るか分 かんないっていう話とこれくらいになる可能性とこれくらいになる可能性があると、 そこは多少識別して見通しを作る際に取り込んでいくという対応はあるかなと思っ ています。す みません、いずれにせよちょっともう一つはっきりしないのははっき りしませんが。
それから今後の金融引き締めの ペースとの関係で、どういうところというか、構造 的な問題とおっしゃいましたけれども、部分を着目しているかというご質問と受け 取りましたけれども、二番目ですね。
(問) 社会構造が変化している中といいますか、長年続いてきた課題を乗り切ろうとして いる環境の中で、今のようなこの超低金利の環境から 1 回か 2 回の利上げで済むも のなのか。例えば 40 年前ですかね、その金利水準が一つのベースになるのか、その ちょっと感覚を教えて頂ければと思います。
(答) いろんなことが関わってくると思いますが、一つ例でお話ししますと、例えば企業 の賃金設定のところで、 時々賃金だけじゃなくて、物価でもそうですが、ノルムと いうような概念を使ったりしますけれども、今年の春闘に関係してヒアリング結果 等をみていますと、単純に今年どれくらいにするかっていう視点だけではなくて、 何となく中期的に賃金が上がるということを企業の中期計画の中に取り込みつつ、 今年の賃金をどれくら いにするかっていうことを決めていかないといけないという 言及が少し増えてきているというふうに感じたところです。これこそ、ある種のノ ルムの変化であって、それがそこそこの幅で、例えば前と比べると 2%上にずれる とか、そういう幅で起こるということになりますと、やっぱり基調的な物価上昇率 が大きく上昇する、あるいはわれわれの目標に近づいていく、収束していく可能性 が非常に高まるということかなと思います。それはもちろん中立金利に持っていく ということを可能にする、あるいはそこへのスピードを 早めるという要因ですが、 そのうえで中立 金利がどれくらいにあるかっていうところにも、社会構造の変化が 影響するとは思いますが、そこについては今のところ新しい分析なり情報を得てい るという段階では残念ながらございません。
(問) ターミナルレートについてちょっとお伺いしたいんですけれども、声明文の中でも 実質金利はきわめて低いということをここ暫く日銀としてはおっしゃってきていて、 それを受けるとですね、まだ相応の利上げの幅があるのかなという見方もでき得る
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と思います。その一方でマーケットの今の見方っていうのは、今年あと1 回、2 回ぐ らいの利上げで、来年1 回ぐらいで大体1%ぐらいになるんじゃないか、その点につ いて総裁どういうふうにお考えになってるのかっていうことと、あと、今回 0.5% に上げたことによって、中立金利に少なくとも 25bps 近づいてきてると思うので、 その分これまでよりも注意深く影響をみなければいけない状況に少しずつなってき ているのかどうか、その点お願いします。
(答) 先ほど申し上げたんですが、中立金利についての私どもの見方についてはこの間変 更していません。つまり、以前よりかなりの幅があるっていうふうに申し上げてき ているところで、その幅があるということについても、幅の範囲というのも変です が、大体同じようなものをみています。そうした中で、その幅全体をみますと、中 立金利に対して現在の政策金利が 0.5[%]になったとしても、まだ相応の距離があ るというふうにみています。もちろん、0.25%のときと比べれば 0.25%分、中立金 利に近づいたということはおっしゃる通りでございます。従ってというよりは、い ずれにせよ金利が引き上げられた後というのは、常にその影響について 注意深くみ ていくということになるかと思います。もちろん 、その影響の出方次第によっては、 中立金利についての何らかの新しい情報があるという可能性もありますので、そこ は注意してみていきたいとは思っております。
(問) 日銀の物価の見方でお伺いしたいんですけども、暫く前までは「第一の力」、「第 二の力」という表現を使われてたのが、前回、植田さんの会見で、古い表現で恐縮 ですがって言葉を付け加えられて、あまり「第二の力」の言葉は使わなくなったん ですけど、これは、日銀がみてた「第一の力」っていうのは、輸入コストによって 上がってきたものが減衰していって、「第二の力」にバトンタッチするという見方 をずっと言われてたと思うんですけども、そこの動きが変わってきたというか、日 銀が想定したような物価の動きではなくなったので使わなくなったんでしょうか。
(答) 考え方そのものは全然変わっていません。何となく政策委員会の議論で「第一の 力」、「第二の力」という表現を使われる方がたまたま少し最近減ってたんで、前 回そういうふうに申し上げたんだと思います。基本線として、 暫く前までのインフ レーションは「第一の力」の影響力が強くて、それは減衰しつつあるんだけれども 「第二の力」にだんだん移りつつあるという見方が生きてるし、そのプロセスが続 いているということだと思います。ただ、そのうえで申し上げれば、今日発表しま した[消費者物価の]見通しで、除く生鮮の24 年度、25 年度の見通しが、かなり大き く上方修正になっているというところは、この分類で言いますと、「第二の力」に よってるのではなくて、ある種の「第一の力」、米ですと輸入価格ではないですけ れども、コストプッシュという意味では「第一の力 」的なもの、これの影響が強く 働いてこういう上方修正になっているというふうに申し上げておきます。
(問) ちょうど今のお話についてお伺いしたいと思っていたんですが、2024 年度、25 年度
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の物価見通しの上振れ理由、これがあまり使われなくなっているのかもしれません が「第一の力」、コストプッシュ要因であるということであればですね、日本経済 の実力としての物価上昇とはまた違う要因ということになるかとも思うんですが、 それでもオントラックと考え、利上げをした理由というのは何なんでしょうか。
それから二問目なんですが、経 済のリスク要因としてですね、展望レポートの中に もアメリカの政策運営を巡る不確実性というのを挙げていらっしゃいます。これい よいよトランプ政権が発足しまして、これまでにトランプ大統領が打ち出した政策 ですとか発言の中で不確実性という点で総裁が今注目、それから気になっていらっ しゃるのはどういうことでしょうか。
(答) まず前半ですけれども、今回の利上げですけれども、あるいはオントラックという 表現ですけれども、オントラックという意味では、特に除く生鮮の24 年[度]、25 年 度の上方修正は、オントラックから少しずれてる 部分になります。上方にずれてる 部分。ですから、ここがほとんど前回の見通し通りであってもオントラックという ことになって、つまり米価格上昇とかがなくても、概ね前回の見通し通りに経済が 進んでいるということ、すなわち表現を変えれば、先ほどの「第二の力」とか、基 調的物価の上昇が見通し通りに続いている。去年の賃金上昇が価格に少しずつ反映 されていくという動きが続いているという意味でオントラックであるということで、 それは続いているので見通し期間の後半、大まかには 26 年度のどこかで、基調的な 物価上昇率も 2%に収束していく可能 性が高まったというふうにみました。それが 利上げの最大の理由でございます。
それから、トランプ政権のこれまでの動き、あるいは今後をみた場合に、どこに特 に注目しているかという点ですが、他国の政策ですのであまり具体的にコメントす るのは適切でないと思いますが、取りあえず先ほど質疑にありました、関税政策の 具体的な姿がどういうふうになるのか、その世界経済への影響はどういうふうにな るのかという辺りは最大の注目点の一つでございます。
(問) 今の質問の関連でトランプ政権の与える影響の見極めについてお伺いします。総裁 、 前半の方で、発足直後の国際金融市場は全体として落ち着いていると判断したとお っしゃった一方で、別の質疑応答の中では、その関税の規模や広がりについて非常 に不確実性が高いので具体的にこうなりそうと言える段階ではないというふうにお っしゃいました。この 12 月会合からの 1 か月で総裁がお考えになっていたこの見極 めたいというのは、その就任直後の初動の反応だけだったということなのかという 点を伺いたいんですけれども、まずなぜ 1 か月みたうえで今回の決定会合において、 海外の与える影響について、ある種利上げの障害になるほどではないと ゴーサイン を出されたのか、もう少し詳しくご説明を頂ければと思います。
(答) 先ほど申し上げましたように、今回の政策変更の主な要因は 、経済・物価が、若干 の上方修正も物価についてありましたけれども、概ねこれまでの見通し通りに沿っ
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て推移し、今後、持続的・安定的な物価目標が実現する可能性が高まってきている という点にあります。そのうえで、前回も懸念していたのは、こういうことに対し てマイナスのショックが発生したら、それは見方を変えないといけない、その一つ の大きな可能性として、アメリカ新政権の政策動向があり得るという ことだったと 思います。今回までのところ、新政権の出だしの動きは概ね予想の範囲内にとどま っていて、マーケットも大きな混乱は発生していないという中で、経済・物価見通 しが先ほどのような姿ですので、それはここで動かないということにはならないの ではないかという判断でございます。もちろんこの先、米国の新政権からどんな政 策が出てくるか分からないという不確実性は残りますが、それは先ほど来申し上げ ていますように、非常に不確定性が高い中で、どの辺というふうに決め打ちもでき ないですから、具体的な姿が決まったときにきちんと分析して 、適宜見通しにその 時点以降を織り込んで対応が必要なら対応していくという、行き方にならざるを得 ないかなと思います。
(問) 一点目、先ほどおっしゃった、コストプッシュの上昇圧力が、足元および 2025 年度 の物価の上方修正の主因だということなんですが、いわゆる「第一の力」が割と sticky に残っていると、この「第二の力」による順調な物価上昇と加わると、物価 の上振れリスクがかなり意識されるのではないかと思うんですが、そうした国内の 物価の上振れリスクと、今後のトランプ政権の政策を巡る不確実性や海外のいわば 下振れリスク、日本経済にとって下押しになり得るリスク、そのバランスを今後先 行きをみるうえでどういうふうにご覧になっているのか。リスクはバランスしてい るのか、どちらかというと物価の上振れが気になるということなのか、その辺りを 伺いたいのが一点目です。
二点目は、今回の 1 月の会合を巡るコミュニケーションについてなんですけれども、 氷見野副総裁の講演で 1 月会合では利上げを議論すると。その直後に植田総裁ご自 身も同じように、1 月の会合で利上げの是非を議論すると、かなり予告型に近い発 信だったなという印象を受けたんですが、この背景と 今後のコミュニケーションも こういったスタイルに変えていく可能性があるのか、この点お願いします。
(答) 一番目は、24 年[度]、25 年度の物価上振れをコストプッシュとして、そのまた波及 みたいなものをどういうふうにみるかというご質問だと思いますけれども、現状で はまず、そもそも可能性として、今後のより広い波及の可能性としましては、例え ばコストプッシュでありますが、物価が上がってるということで、期待インフレ率 を少しでも若干なりとも上げてしまうっていう可能性があると思います。可能性で すね。それから、今年度の平均的な姿として、25 年度のインフレ率が高まるという ことになると、26 年の春闘において25 年度のインフレ率を参照するという行動をと るところについては、賃金に上向きの圧力がかかるという可能性もなきにしもあら ずだと思います。そういうことは今後の少し先の基調的物価上昇率を少し引き上げ るっていう可能性もあるとはみていますが、現在その可能性が非常に高いというふ うにはまだみておりません。むしろ現在でのいろんなところに対する影響という意 味では、基調的物価上昇率がこれまでみていたものよりも下振れするというリスク
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は常にあるわけです けれども、その下振れリスクが少し低下する方向に働いている。 その意味でも見通しが実現する確度が高まっているということが言いやすい環境に なっているかなというふうに思っています。
それから二番目に、コミュニケーションの話ですけれども、これは形式的な答えに なって恐縮ですが、私ども昨年の後半から、例えば、ボードメンバーの講演等につ いて、時期を平準化するとかスケジュールを早めにアナウンスするというようなこ とを心掛けるようにして、そのうえで、各講演で物価・経済見通し、政策の基本的 な考え方を丁寧に説明するということに努めています。そういう中で 1 月は、氷見 野副総裁の講演でも私どもの基本的な考え方ですね、すなわち、各会合でそこまで のデータをきちんとみて、それに応じて金融政策を変更することが適当かど うかと いうことを議論するという基本線を改めてリマインドさせて頂いたというふうに考 えております。
(問) 質的緩和の手仕舞いのあり方についてお伺いしたいと思います。具体的にはETF の処分の方針のことですけれども、植田総裁は昨年来、かねてですね、もう少し時 間をかけて検討する必要があるとこのように説明をしてこられました。ただそれも 1 年が近づこうとしておりまして、そろそろETFの処分についてですね、判断を 下すときが近づいてきているのでしょうか。あるいは今後も時間をかけて更に検討 を進めるということでありましたら、その時間がかかっている理由について何かボ トルネックのようなものがあるのかどうか、この辺り総裁のお考えをお知ら せくだ さい。
(答) これは大変申し訳ありませんが、もう少し時間を頂きたいということと、理由とし ては、基本的になかなか難しい問題であるということでございます。
(問) 中立金利について先ほど政策金利の 0.5%はまだその中立金利まで相応の距離があ るというふうに総裁がおっしゃいました。一部では人口減少の日本の継続などを考 えると、その中立金利、推計で幅があるものの 1%に届かないのではないかという 見方もあります。総裁がその距離があるというふうに考える理由は、日本企業の価 格設定行動が過去 30 年の停滞期から変わってくる中で、経済の体温をかんがみてそ うお考えになるということでしょうか。理由をお伺いできればと思います。
(答) これは距離があると申し上げた理由は具体的な数字を申し上げてしまえば、これま で日本銀行の分析の例として中立金利についてお示ししたものは、名目では例えば 1[%]から 2.5[%]くらいの間に分布しているということですので、 0.5[%]という 金利水準はまだ距離があるということで、もちろん先ほど議論がありましたが、 0.25[%]分、その範囲に近づいたことは確かですけれども、まだ距離があるという ふうに考えて おります。もちろん人口減少が続くとか、あるいは他に様々な構造的 な要素が変化しているかもしれませんので、そういうことがどういうふうにこの中
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立金利に影響するかっていうことは分析を深めるのが望ましいわけですけれども、 努力はしたいと思いますが、なかなかリアルタイムでは分からない問題でもあると いうことだと思います。
(問) 今の金利の関係なんですけれども、市場等では中立金利に近づいてきているという 見方もある中で、今回これまで 0.25 ずつ上げてきているわけですけれども、これを 例えば経済等への影響にかんがみて、少し引き上げる率をですね、例えば 0.1 にす るとかそういう調整をするといったような可能性があるのかどうか、なかなか難し いところだと思うんですが現時点の総裁のお考えを聞かせください。
(答) それは結局は金利引き上げのペースをどうするかというお話だと思いますけれども、 今回の利上げの影響も含めて、今後のデータ、情報を丁寧にみて判断していきたい と思います。
(問) 本日ですね、追加の利上げの背景だとか伺っていまして、賃上げや価格転嫁も広が っていて、物価も上昇しているという中で、なんだかデフレ時代というものがちょ っと遠い過去のように感じられたんですけれども、総裁自身、日本経済の変化をい ろいろお感じになる中でこのデフレ脱却の時期についてのお考えはいかがなのかを 教えて頂けますでしょうか。
(答) デフレ脱却って、いろいろな意味で使われてると思いますけれども、政府がお使い になってる意味としては、おそらく普通の意味でのデフレに戻る確率がものすごい 低くなった状態ということかなと思います。私どもは、目標としては、 2%に持続 的・安定的に到達するかどうかというところで、そこにはちょっと違いがあると思 いますけれども、矛盾はしていない二つの 表現だとは思いますが、そのうえで、現 状デフレという状態、その政府の定義ではなくて、普通の意味でのインフレ率がマ イナスという意味でのデフレにはかなり遠いところに来ていますが、将来、長期間 にわたってデフレに戻る確率がほぼゼロかと言われるとそこは必ずしも自信はない と思いますが、非常に低いところに今あるということは確かだと思いますが、政府 はもう少しもっと低いところまでそれが下がることを目指してらっしゃるのかもし れないです。
(問) 展望レポートで物価上昇率を上方修正した件でお伺いします。結構、24 年、25 年度 を大幅に修正したことで、賃上げがあっても実質それが、賃金が物価を上回る状況 が遠のいて、実質賃金のマイナスみたいな状況が続くことによる個人消費への影響 とか、そういう下方リスクについて総裁はどのようにお考えなのかお聞かせくださ い。
(答)
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実質賃金が伸び悩んで消費が結果としてやはり伸び悩むというリスクについては、 常に意識しています。その点については、ただ、今朝方発表されました毎勤統計の 直近の確報では、取りあえずその月だけかもしれませんが、実質賃金がプラスにな っているということと、今後ですけれども、先ほども申し上げましたように、消費 者物価の 25 年度にかけての高い伸びを見通しとして出したわけですけれども、どち らかというと前半型でありまして、今年の後半には 2[%]に向けて低下していくと いう姿を、コストプッシュということもありまして、描いています。従 って、そこ そこの賃金上昇が続けば、実質賃金がプラスに転じていくというふうに考えており ます。
(問) 先ほど来出てますけれども、アメリカのトランプ大統領がダボスの会議の中でFR Bの金融政策に触れて、原油価格が下がった場合、利下げを求めるという発言をさ れました。政治が金融政策に介入するっていうのはご法度にもなりますけれども、 今後こうしたことがある場合、金融市場の不安定化にもつながる可能性があるかと 思います。今回のトランプ大統領の発言であったりとか、その影響、こういったと ころもまた金融政策運営していく中で難しさ が出てくるかと思いますが、いかがで しょうか。
(答) これへの対応はアメリカの中央銀行でありますFRBにお任せするというコメント にとどめさせて頂ければと思います。
(問) 中立金利まではまだ距離があるって意味では、またこれから更に利上げがあるって ことだと思うんですけど、一方でこれまで 30 年間ぐらい、0.5%を超えてこなかっ た。そういう意味では前回 2007 年に利上げをしても、またその翌年には戻ってしま ったという経緯もあると思うんですけど、そのときと今と、国際金融環境だったり、 国内の環境だったり、何が違うの か。国内の賃上げっていう意味ではかなり賃上げ のムードが広がってきているとはいえども防衛的賃上げっていう印象を私は強く思 ったもので、業種、業界、事業規模によってもいろいろと様々あると思うんですけ どもその辺のお考えいかがでしょうか。
(答) 過去 20 年くらいに、金利 0.5[%]程度になったことはあるわけですけれども、その ときと何が違うかということですが、おそらく一番大きな違いは、例えば 2006、 2007 年ですと、インフレ率は大まかにゼロになったくらいであったと。今回は除く 生鮮でみれば、2%を超える期間がもう 3 年前後続いているという点は非常に大きな 違いかと思います。ただ、だからといって、ポンポン上げていけるかとかそういう ことについては、安易に考えずに注意深く進んでいきたいというふうにはもちろん 思っております。
(問) 再三ご指摘されたような基調的な物価上昇率についてなんですが、これまでの総裁
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の発言とか日銀の分析を踏まえると、おそらく1.5 から2%の間ぐらいのイメージだ と思うんですけども、徐々に高まっているというふうに言ってる中で、実際にど の 辺なのか、2%に近いのか、それとも 1.5%に近いのか、あるいは中間ぐらいなのか、 その辺、現在の総裁の認識をお願いします。
(答) これは私どもなりに工夫したかつ定量的な基調物価の指標みたいなものをおみせし て、それがこう動いてるということができれば一番いいわけですけれども、まだ残 念ながらそこに到達しておりません。基調物価に関係する分かりやすい指標として は、そのものではないですけど、賃金上昇率であったり、様々な期待インフレ率で あったり、だんだん抽象的になってしまいますが、賃金が物価にどれくらい転嫁さ れるか、更にその背景にある経済の動き、こういうものを総合してみていくという お答えを取りあえず今日のところは続けさせて頂きます。
(問) トランプ大統領が昨日ダボスでですね、AIとクリプトカレンシー、暗号資産、あ るいは仮想通貨のことですけど、の首都に米国をしたいという発言を改めてされま して、従前から育成あるいは規制緩和をすると、クリプトカレンシーについてです ね、言ってきてるわけですけども、これそうなると、実現していくとですね、既存 の通貨に対してはですね 、使われづらくなったりするということになると思うんで すが、そのこ とが金利政策を運営していくうえでどんな障害あるいは弊害があるの かと。それから日銀を含めて各国進めているデジタル通貨についてのこの育成 、運 営にどんな影響があるのか教えて頂けますか。
(答) これはいろんな観点からお答えできるというか、いろんなインプリケーションがあ る問題だと思いますけれども、まずアメリカでの動きが他の通貨にどういう影響が あるかという点については、やはりそういう場合に弱いのは、信認の程度が低い通 貨であって、そのまた先を考えますと結局は通貨価値を安定的に保つような金融政 策をきちんとできてるかどうかっていうところだと思います。そこができていない 国の通貨は、使いやすい、例えば、アメリカドル建てステーブルコインに人々の利 用が流れてしまうというリスクを抱えているんだと思います。そういう観点 から私 どもも繰り返し申し上げていることですが、物価安定の目標をちゃんと達成すると いうことが必要かなと思っております。それに加えまして、デジタルカレンシー分 野でいろんな動きが出てくると思いますし、私どもは私どもでCBDCの技術的な 検討を進めております。そういうことを導入するかどうかについては国民的な議論 の中で決まってくるものだと思いますが、そこに今回のアメリカの動向も含めまし て、海外の動向が議論に影響を与える可能性はあるかとは思います。いずれにせよ、 導入するというふうに日本で合意が得られましたら、動けるように 準備は進めてい っているつもりでございます。
(問) 今回の利上げをしてもですね、実質金利は大幅マイナスということですから、結局 この物価高の局面で日銀は一度も実質 引き締めをしていないってことになると思う
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んですが、こういうぬるま湯状態を 10 年とか 20 年とか日銀はずっと続けてきたわ けですが、その結果、政府も国会も財政規律を弛緩してですね、マーケットも国民 生活もですね、 ゆでガエル状態になってると。これほどゆっくりとしか利上げでき ない日銀の現状は、日銀の見解はどうであれ、フィスカル ・ドミナンス、財政支配 とか金融支配とかそういう状態を作り出してしまってるのではないかと思うんです が、総裁はいかがお考えでしょうか。
(答) 財政の問題については、繰り返し申し上げてるところですけれども、政府・国会の 責任において、中長期的な財政規律を確保して頂くということだと思います。その うえで私どもの緩和度合いの調整ですけれども、これは夢のような話かもしれませ んが、すごい緩和度合いが強いところから過去出発して、少しずつ緩和度合いを絞 ってきてるわけですけれども、本当にものすごい実質金利で高いプラスにいくとい うことはなしに、緩和度合いを少しずつゼロに近づけていって、ゼロになったとき にインフレ率を目標にうまく収束しているというふうなスムーズな着陸がで きれば、 それはそれが一番いいんだと思います、という考えもございます。
(問) 今回の展望レポートで、日銀の潜在成長率の推計値を従来のゼロ%台後半からゼ ロ%の半ばに下げてるんですが、この潜在成長率は中立金利や自然利子率とそれな りの関係のある概念と受け止めておりますが、このタイミングで潜在成長率の推計 値を下げたことは、日銀のターミナルレートなどを巡る議論に対して、何か一定の 意味を持つ情報発信なのか、それとも大した意味を持たない情報発信と受け止めて おけばいいのか、その辺りについて教えてください。
(答) 潜在成長率の推計値を若干下げた理由は、人手不足であります。簡単に申し上げま すと。潜在成長率を決めるものは、労働の伸びだけじゃなくて資本の伸びもあるわ けですが、現状例えばホテルとかに代表されますように、設備はあっても人手不足 で余ってる設備を十分に使えないというようなことがあります。ここを若干正面か らとらえると、設備を必ずしもフルに使えないというようなことから、潜在成長率 の伸びが少し下方修正されたということでございます。ただ修正の幅は小さいもの ですので、中立金利に影響あるかもしれませんけれども、そこもごくわずかの修 正 になるかと思います。
(問) 先ほどの 0.5%でも中立金利に対して相応の距離があるということに関連して伺い たいんですけれども、次は0.75%に引き上げると政策金利としては30 年ぶりの水準 になるかと思います。これに対し 0.75 というのが壁として認識されているのかされ ていないのか、総裁のお考えをお聞かせください。
(答) 先見的に、いつかも申し上げましたが、ある数字を壁として意識しているというこ とはございません。ただそれは本当に何かの壁、あるいは中立金利にものすごい近
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づいてくる、あるいは若干上回るというよ うなことになれば、何らかの反応が経済 の方で起こってくるというふうに考えます。例えば、投資であったり、住宅投資が 大きく減少するとか、そういうことを通じてその辺に関する手がかりを得ることが できるということだと思います。もちろんものすごい大きなマイナスの影響が出る まで待って確認するということではなくて、出 始めくらいの段階でつかみたいとは 思いますが、そういう手探りの前進を続けたいというふうには思っております。
(問) 先ほどの潜在成長率の引き下げの話題も出たんですが、今の人手不足で成長率の伸 びが頭を押さえられてい る状況があると思いまして、総裁としては次回の利上げに 臨む際に今のように経済が緩やかな成長を続けていると、そういう状況であれば追 加利上げに踏み切ってOKということなのか、あるいは現状の成長よりももう一段 加速したうえで利上げ判断していきたいということなのか 、この点をお聞かせくだ さい。
(答) 次の利上げですけれども、これは成長率の動向というよりも、やはり特に物価の見 通しが実現していくかどうか、その中でも特に 26 年度[、見通し期間の]後半にかけ て基調的なインフレ率が 2[%]に収束していくかどうか、可能性が高まっ ていくか どうかという点を主なポイントとして判断したいと考えています。そこはこれまで と変わりがありません。
(問) 米国に関連してなんですけれども、FRBが気候変動リスクに係る金融当局のネッ トワーク、NGFSという組織から脱退したというふうに発表されましたけれども、 日銀もこちらの組織にメンバーだと思うんですけれども、今やってらっしゃる気候 変動オペも含めてですね、日銀の気候変動分野での対応方針はこれまで通り変える つもりはないという理解でいいでしょうか。
(答) FRBのことについてはノーコメントとさせて頂きたいですけれども、日本銀行と しては気候変動問題については大事な問題と考えていまして、様々な国際的なフォ ーラムにも参加しています。その うえで中央銀行ですので、中央銀行のマンデート の中でこの問題に関わるということでオペをやっていますが、これは気候変動対応 オペをするということによって、説明としてはおそらく中長期のインフレ率を安定 的に保つという、物価安定目標を実現すべき中央銀行というマンデートの中に収ま る話だというふうに解釈しております。 以 上
The Cadence Brief
The one number that moved central bank pricing — delivered each weekday morning.