Bank of Japan press conference —
Bank of Japan press conference, 31 July 2025. The BOJ hiked rates at 0.50%. The vote was 9-0. The Bank of Japan kept rates unchanged at 0.5% but signaled readiness to raise rates further if economic and inflation forecasts materialize, despite acknowledging downside risks from trade policies and sluggish underlying inflation.
Featuring Kazuo Ueda
What this says
we decided unanimously to maintain the monetary market operation policy of conducting operations to encourage the uncollateralized overnight call rate to remain at around 0.5%.
the underlying rate of increase in consumer prices is expected to struggle to grow due to the impact of the slowing pace of economic growth.
Regarding the risk balance for the economy, taking into account the influence of trade policies in various countries, we view the downside risks as being larger for fiscal 2025 and 2026, similar to the previous Outlook Report. We view the risk balance for the price outlook as being generally balanced between upside and downside.
given that current real interest rates are at an extremely low level, if the aforementioned economic and price outlooks are realized, we believe that we will continue to raise the policy interest rate and adjust the degree of monetary easing in response to improvements in economic and price conditions.
labor supply and demand continue to be tight, and under these conditions, the movement to pass wage increases through to sales prices is continuing.
As for the outlook, the underlying rate of price increase is expected to struggle to grow for a while due to the impact of the slowing pace of economic growth.
we believe the underlying rate of price increase will gradually rise toward 2% and trend at a level roughly consistent with the price stability target in the latter half of the forecast period.
I do not believe that this upward revision of the inflation rate alone is the kind of factor that would sway monetary policy in one direction or another.
we will not wait until they are truly established at 2% before acting. Rather, the point will be whether the accuracy of the path toward reaching 2%—a forecast we still hold—increases, or whether we can have confidence in that outlook
the movement to firmly raise wages in the Shunto has continued for several years, so it is necessary to keep in mind that raising wages is becoming a kind of norm.
I view the risk of returning to deflation as having decreased slightly since then.
the mechanism where wages affect prices and prices affect wages continues. Within that, the core part where wages affect service prices and push up underlying prices continues
I believe this is one major point suggesting that we have not necessarily fallen behind the curve. However, as underlying prices move closer to 2% than before, and as expected inflation rises to some extent simultaneously, I believe we must monitor the movement of "headline" inflation—the overall Consumer Price Index—more carefully than before, as it may influence underlying prices or expected inflation.
we have not changed the forecasts in the April and July Outlook Reports very much—except for this fiscal year's inflation rate—but I believe the degree of certainty regarding the realization of those forecasts has increased slightly.
the upside risk to prices refers to the risk of prices rising further from the point where the underlying inflation rate gradually converges to 2% in the forecast, so I intend to weigh that heavily. As for the downside risk to the economy, it also affects prices, but if the economy or prices were to dip slightly from here, I believe we must remain mindful of our position—namely, that the policy interest rate is at a low level of 0.5%.
Looking back at the last three years, to describe one mechanism: in years when the headline inflation rate is high, it affects the wage growth rate of the following year, which then bounces back into service prices, gradually affecting underlying prices. Therefore, if a state of high headline inflation persists for a long time, I believe we must be cautious about the impact on underlying prices.
At present, we see that the movement of underlying prices, which we emphasize, is strengthening, but it has not yet reached 2%. Therefore, we are maintaining an accommodative monetary environment.
I cannot say it is absolutely impossible, but in the current phase, we want to see how the impact of tariff policies manifests in hard data—specifically regarding various exports, production, and in the U.S., employment and other factors.
To put it schematically, a case where monetary tightening directly and cleanly fits as a measure against high prices is when prices are rising due to strong pressure from the demand side. In that case, raising interest rates cools an overheating economy while lowering prices. In contrast, a significant portion of the current high prices is due to supply-side factors.
we expect the rise in food prices, which is the main driver of current inflation, to settle down going forward. Combined with the fact that this year's spring wage negotiations have yielded strong results, we do expect to see improvement in real wages as we move into the latter half of the year.
The mechanism where wages and prices positively influence each other has started and is continuing. Whether this mechanism continues without major interruption, or whether it continues even if the rate of increase slows somewhat, will be a major factor in our judgment.
Well, I would like to prioritize thinking about whether there is an appropriate method consistent with the principles I have always stated. I do not think it is necessarily good to think about getting it done at all costs within my own term.
Our outlook expects a certain degree of negative impact to occur in the latter half of the year, which we are now entering. Other research institutions around the world generally have similar outlooks. ... However, ... the risk of a cliff-edge drop, which was sometimes considered a tail risk, I think has become considerably less likely.
Transcript
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2025年8月1日 日本銀行
総裁記者会見 ――2025年7月31日(木)午後3時30分から約70分
(問) 本日の金融政策決定会合の内容について、展望レポートの内容を含めてご説明をお 願いします。
(答) まず本日の決定会合で、無担保コールレート ・オーバーナイト物を 0.5%程度で推 移するよう促す 、という金融市場調節方針を維持することを全員一致で決定 致しま した。
次に、展望レポートを公表しましたので、これに沿って、経済・物価の現状と先行 きについてご説明したいと思います。最初に、今回の見通しの前提についてです。 通商政策に関しては、先日、日米間の関税交渉が合意に至りました。今回の合意は 大きな前進であり、この間、米国との交渉に尽力された政府関係者の皆 さまには、 心より敬意を表したいと思います。今回の展望レポートの中心的な見通しは、日米 間の合意を含め、これまでの各国間の 交渉状況を踏まえている ほか、今後グローバ ルサプライチェーンが大きく毀損されるような状況は回避されることなどを 前提に 作成しました。経済についてですが、 わが国の景気の現状は一部に弱めの動きも み られるが、緩やかに回復していると判断しました。先行きについては、各国の通商 政策等の影響を受けて、海外経済が減速し、わが国企業の収益なども下押しされる もとで、緩和的な金融環境などが下支え要因として作用するものの、成長ペースは 鈍化すると考えられます。その後については、海外経済が緩やかな成長経路に復し ていくもとで、成長率を高めていくと見込まれます。前回の展望レポートからの比 較でみますと、成長 率の見通しは概ね 不変です。次に、物価ですが、生鮮食品を除 く消費者物価の前年比は、賃金上昇の販売価格への転嫁の動きが続くもとで 、米な どの食料品価格上昇の影響等から、足元では 3%台前半となっています。 物価の先 行きですが、2025 年度に2%台後半となった後、26 年度は1%台後半、27 年度は2% 程度となると予想されます。前回の展望レポートからの比較でみますと、25 年度の 物価見通しは、食料品価格上昇の影響を主因に上振れていますが、26、27 年度の物 価見通しは概ね不変です。消費者物価の基調的な上昇率は、成長ペース鈍化などの 影響を受けて伸び悩むことが見込まれます。 もっとも、賃金と物価が相互に参照し ながら緩やかに上昇していくメカニズムは維持され、その後は成長率が高まるもと で人手不足感が強まり、中長期的な予想物価上昇率が上昇して いくことから、基調 的な物価上昇率は徐々に高まっていくと予想され、見通し期間後半には物価安定目 標と概ね整合的な水準で推移すると考えられます。こうした見通しを巡るリスク要 因は、様々なものがありますが、特に各国の通商政策等の今後の展開や、その影響 を受けた海外の経済 ・物価動向を巡る不確実性は高い状況が続いており、その金 融・為替市場やわが国経済・物価への影響については十分注視する必要があります。
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経済のリスクバランスですが 、各国の通商政策等の影響を踏まえ、前回展望レポー ト同様、25 年度と26 年度は下振れリスクの方が大きいとみています。物価の見通し のリスクバランスは概ね上下にバランスしているとみています。
次に、今後の金融政策運営についてですが、政策 運営は、現在の実質金利が きわめ て低い水準にあることを踏まえますと、以上のような経済・物価の見通しが実現し ていくとすれば 、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、 金融緩和の度合いを調整していくことになると考えています。その うえで、こうし た見通しが実現していくかについては、各国の通商政策等の今後の展開や、その影 響を巡る不確実性が高い状況が続いていることを踏まえ、内外の経済・物価情勢や 金融市場の動向等を丁寧に確認し、予断を持たずに判断していくことが重要と考え ています。日本銀行は、2%の物価安定の目標のもとで、その持続的・安定的な実現 という観点から、経済・物価 ・金融情勢に応じて、適切に金融政策を運営していく 方針です。
(問) 幹事社から二点質問させて 頂きます。一つ目は、日米の関税交渉がまとまり、日本 経済にとって不確実性が低下したと 、総裁も大きな前進という発言ありましたが 、 関税措置が不確実性 が低下した一方で、関税措置が日本経済に与える影響がなかな かみえない状況です 。次の利上げに向けて重視して確認したい点はどういった点で しょうか。
二点目は、基調的な物価について伺います 。足元のインフレ率 は 3%を超え、この 展望レポートでも 、物価見通しを引き上げたかたちです。参議院選挙でも物価高対 策が焦点となる中、前回と比べて基調的な物価は高まっていると考えているでしょ うか。
(答) まず関税措置の影響のところ のご質問ですが 、ご指摘頂いた通り、先日の日米間の 関税交渉の合意は 、わが国経済を巡る不確実性の低下に つながると考えています。 それでも、いったん成長ペースが今後鈍化し、基調的な物価上昇率が伸び悩むとい う私どもの中心的な見通しに大きな変化はありません。また、これまでより低下し たとはいえ、各国の通商政策等の影響に関する不確実性はなお高い状況が続いてい ます。こうした中 、私どもとしましては、これまで同様、経済 ・物価情勢が改善し、 基調的な物価上昇率が高まっていくと いう見通しの確度やリスクを確認しながら、 先行きの利上げの 是非やタイミングを 、毎回の決定会合において適切に判断してい く方針です。その際、通商政策等の影響が各国の経済や国際金融資本市場にどのよ うに表れてくるか、また、そのもとでわが国企業の賃金 ・価格設定行動における積 極的な動きが途切れることがないかどうかといった点を はじめ、 内外の経済・物 価・金融情勢を幅広く丁寧に確認してまいりたいと考えています。
次に、基調的な物価についてですが、 これの評価に当たっては、いつも申し上げて いることですが、各種の物価指標や人々の物価観を示す中長期的な予想物価上昇率 、 更には物価変動の背後にある マクロ的な需給ギャップや労働需給、賃金上昇率など 、
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経済・物価に関する様々な情報を みたうえで総合的に判断していく必要があります。 より具体的に少し申し上げますと 、一時的な変動の影響を受けにくい物価指標、例 えば加重中央値やサービス価格のトレンドあるいは家計や企業 、エコノミスト等の 予想物価上昇率に関する指標等を みますと、なお 2%を下回っています。しかし、 緩やかな上昇傾向を 辿っています。また、労働需給は引き締 まった状態が続いてお り、こうしたもとで 、賃金上昇を販売価格に転嫁する動きも継続しています。こう した点を踏まえまして、基調的な物価上昇率は引き続き 2%に向けて緩やかに上昇 しているというふうに判断しています。先行きについては、経済の成長ペース鈍化 などの影響を受けて、基調的な物価上昇率はいったん伸び 悩むことが見込まれます。 しかし、賃金と物価が相互に参照しながら緩やかに上昇していくというメカニズム は維持され、その後は 、成長率が高まるもとで、人手不足感が強まり、中長期的な 予想物価上昇率が上昇していくことから、基調的な物価上昇率は、2%に向けて徐々 に高まり、見通し期間後半には物価安定目標と 概ね整合的な水準で推移すると考え ています。
(問) アメリカの関税政策の日本経済 への影響について伺いたいんですけれども、こちら 今後見極めていく場合にですね 、大体どのくらいの期間を要するというふうに 総裁 はお考えでいらっしゃいますでしょうか。大体これ 3 か月くらいで分かるものなの か、それとも半年 、1 年くらい要するものなのか 。あとですね、影響を見極めてい る間につきましては 、こちら利上げだと金融政策変更の決断と いうのは難しいとい うことになるのかどうかということでご認識を伺います。
あともう一点、今回の展望レポートについてなんですけれども、25 年度の物価は上 方修正されまして、26、27 年度は概ね同じとはいえ小幅に引き上がっているという 状況であると思います。こうした物価の状況を踏まえまして 、総裁としましては 利 上げの環境というのは整いつつあるというふうにお考えでしょうか。
(答) どちらも今後出てくるデータを、予断を持たずに丁寧に みていきたいというお答え になりますけれども、アメリカの関税政策の影響につきましては、もう少 し詳しく 申し上げれば 、これまでのところ特に駆け込みとその反動の動きが何回にもわたっ て続くということが起こって、非常にデータが みにくくなっているかと思います。 ようやく、少なくとも関税率のある程度の部分が落ち着きどころが みえてきたとい う点もありますので、今後ははっきりした影響が少しずつ出てくるという局面に入 るかと思います。それがどれくらいの期間、どの指標をみないと 分からないのか と いう点については 、現時点ではなかなか確定的なことを申し上げにくいなと思いま す。早めに大きな影響が出て、それでなかなか大変だというふうに 判断がつく場合 もあるでしょうし 、なかなか影響は出ない 、しかし本当に出ないかどうか時間をか けてみるっていう場合もあるでしょうし、そこは予断を持たずに丁寧に みていきた いと思っております。
それから、26 年度と 27 年度のインフレ、私どものインフレ率見通しが、少し 26 年、 25 から27(注1)ですね、上方修正になっている点に関するご質問だったと思いますけ
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れども、25 年度分はかなり大きく上方修正になっていますが、これはほとんど、米 を含みます食料品価格のここまでの 上昇を反映したものでございます。これが 若干 の時間がかかるかもしれませんが、今後インフレ 率としては低下に向かうというふ うに予想していますので 、このインフレ率の上方修正だけをもって、金融政策がど っち側に左右されるというような種類のものではないというふうに考えています。
(問) 二点お伺いします。物価の見通しのところで 25 年を大きく上方修正されたと。ただ、 食品価格の上昇については 、徐々に減衰していくという見通しを示されています 。 これまでと同様に一時的要因が大きいということですけども、一時的ではない可能 性については 、従来よりも高まっているというふうにお考えでしょうか 。その場合、 日銀の対応が後手に回る可能性があると思うんですけども、その辺はどのようにお 考えかというところも併せてお願いします。
もう一点、参院選の結果を受けて、減税政策や給付金の現実味が出てきていると思 います。物価高対策ということですけども、物価には押し上げに効く可能性もある と思いますが 、物価への影響についてどのようにお考えでしょうか 。また、こうし た財政拡張的な政策の評価についてですね 、政府・日銀の共同声明などの観点から 、 総裁はどのようにお考えかという二点をお願いします。
(答) まず、食料品価格の上昇について、一時的と判断してよいかどうかというご質問だ ったと思いますが、申し上げましたように 、インフレ率という意味では 、今後低下 していくというふうに考えています。そういう意味では一時的である。ただし 、こ こまでかなりの上昇がみられ、消費者心理にも、これ はどっちに影響するか難しい ところでございますが、消費者心理を悪化させる方向に働くというケースもあるで しょうし、インフレという面ではインフレが長く続いてしまうという方向に働く可 能性もありますが、消費者心理あるいは予想物価上昇率に影響して、そ こから例え ば基調的なところにも影響するというリスクについては 、常に意識しながらデータ をみていきたいと思っております。
それから、選挙の結果等も絡んで 、今後の財政政策とその私どもへの影響というご 質問だったと思いますが、いつも申し上げてますが、財政政策について直接的にコ メントするのは差し控えさせて 頂ければと思いますが、いずれにせよ 、政策が決ま りましたら、その経済あるいは物価への影響を 他の要因とともに丁寧に検討し、そ のうえで適切に金融政策を行っていくという姿勢に変わりありませんし、政府との 関係ということで申し上げれば、引き続き密接に意思疎通を図っていくということ でございます。
(問) 一点目はですね、基調的物価についてお伺いします 。伸び悩んだ後にまた回復する 見通しということですけれども、今現状 、総裁の認識としては既に伸び悩んでるよ うな状況なのか 。次のですね、利上げの判断をするときは伸び悩んでる状況であっ ても回復に向かうと確信ができれば利上げをするのか、それとも 2%にですね、持
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続的・安定的にアンカーすると確信を持てたら次の利上げに踏み切るのか、その考 えについて教えてください。
二点目についてはETFの処分の方針について伺います 。先日ですね、四半世紀近 く続いた、こちらは金融システムの安定を目的としておりますけれども、銀行株の 処分が完了致しました。これを受けて ETFの処分について 、この銀行株の処分を した方法だとかですね、それを参考にして今後検討されるのか教えてください。
(答) まず前段ですけれども、基調的物価の現状ですけれども、まだ関税の影響 を受けて 足踏みするという局面には入ってなくて、ごくゆっくりですけれども上昇が続いて いるというふうに思っております 。それから、基調的物価と今後の政策との関係と いうことでは、本当にそれが 2[%]に定着するまで待って動くというのではなくて、 2[%]に到達していくという道筋、今でもそういう見通しを持っているわけですけれ ども、それの確度が上がるとか、見通しに自信が持てるということになるかどうか という、それもいろんな段階がありますが 、ことの方がポイントになるかと思いま す。
それからETFの処分については、ずっと申し上げてきてるように、時間をかけて 検討させて頂いてる最中ですけれども、その検討にあたって、2002 年以降の別の枠 組みで買い入れた株式の処分が、7 月(注 2)に無事完了しましたので、関連はどうか というご質問だったと思いますが、私どもとしてはそちら で得た知見も生かして、 ETFの処分の検討を進めたいと思っております。
(問) 賃金を巡る環境に関してお伺いしたいんですけども 、昨年は現状ほど大きな不透明 もなくですね、12 月にも判断できたと思うんですけども、結局今年の 1 月の利上げ で、24 年のときは 3 月に公表された連合の 1 回目の集計をみてゼロ金利解除とYC Cをやめましたけれども、今回ですと 、今年の物価は昨年より上なんで 、賃上げの 要因かと思うんですけど、人手不足もまた加わってると思います 。一方で、展望レ ポートで言われている 収益が下押しされるような影響の中で 、更なる賃上げの蓋然 性に関してで すね、数年前よりも慎重な見極めが必要だと思うんですけど、経済の 落ち込みの大きさが 分からない中で、企業収益がどの程度落ち込むか 分からない中 で、それなりに賃金の上げ幅とか蓋然性の判断には時間がかかると思うんですけど、 現状ではどのようにお考えかお伺いできればと思います。
(答) 来年の春闘がどういう姿になるか 、ある程度以上見極められるのはいつ頃かという ご質問だと思うんですけど 、なかなか確定的なことは申し 上げられませんが、おっ しゃったように人手不足とか、今年の インフレ率が高めであるということは、賃金 にとっては上昇圧力として働くということだと思います。他方で、これもおっしゃ いましたが、私どもも気にしていますが 、今後、関税の影響を受けて、日本の企業 収益、特に製造業のそれが下方に屈折していくということ、そしてそれの賃金への 影響が懸念されます。ですので 、そこはそれがどの程度の大きさ、強さになるのか
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というところは、丁寧に みていきたいと思っています。ただもう一つ申し上げると すると、春闘で賃金をしっかり上げるという動きは複数年続いてきてますので、上 げていくということがある種のノルムにな りつつあるという点にも留意しておくこ とが必要かなと思っています。
(問) 大きく二点伺います。まず一点目、インフレ下の金融政策運営なんですけれども 、 現状、トランプ関税の影響で設備投資を手控えたり様子見したりする企業も少なく ありませんが 、今後、コロナ禍の ペントアップ需要みたいなイメージで 、企業の様 子見姿勢ですとか 、手控えたり、そういう行動が横並びで解けて、需要が過度に集 中して、法人周りの物価の上昇ペースが加速するリスクはないのか 、その点を伺い たいのと、また関連して、実際の政策対応として 暫く利上げをしていませんが、日 銀が展望を見誤った場合は 、これまでよりも 利上げのペースを速めて調整していく ことを想定して 、今、政策判断をしているのか 。今のちょっと逆の場面に対する質 問なんですけれども、現状の認識を伺えればと思います。
あと二点目は、デジタル通貨に関してですけれども 、アメリカでステーブルコイン を規制、整備する法律が成立しました 。基軸通貨の動きとして 、世界的な影響が出 てくる可能性がありますが 、中央銀行のデジタル通貨 、CBDCの取り組みを進め る中銀総裁として 、海外の動きを現状どのように とらえているのか、 所感を伺えれ ばと思います。
(答) 一番目は、若干今、不確実性の中で設備投資を手控える動きがあるかもしれないけ れども、もう少し不確実性が低下すれば、それは一気に手控えていた設備投資が集 中して行われてということが起こるかどうかというご質問だったと思うんですけれ ども、それはあり 得なくはないと思いますけれども 、例えば、関税の影響というこ とで考えてみますと、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、関税率がどうな るかという点に関する不確実性は若干低下したと思いますけれども 、関税の影響が、 ある程度高い関税がかけられるということはほぼ確定的な中で、その影響 がどうい うものになるのか 、あるいはどこにどういうふうに出てくるのかという点は 、これ からだと思うんですね。ですから、それが一気に 霧が晴れるということはなかなか ないのかなというふうに思っております。それから 二番目に、それでも需要が強い 、 あるいは何らかの理由でインフレ率が見通しよりも高く推移し て、おっしゃってる のはある種ビハインド・ザ・ カーブになったような場合には 速いペースで利上げを していくのかというご質問だったと思うんですけれども、それはそうなってしまえ ばそうだと思います。ただ、現状ではビハインド ・ザ・カーブに陥ってるとは思っ ていませんし、そうなるリスクが高いとまでは思っておりません。
それから、ステーブルコインに関するご質問ですが、 おっしゃるように 、特にアメ リカですかね、 そして若干香港ですかね 、ちょっと違う面がありますが、政策主導 でステーブルコインを広げようとしているという動きをどう みてるかというご質問 だと思うんですけれども 、新しい金融技術を体現化した決済サービス 、あるいは決 済サービスを高度化するというあるいは効率化するという望ましい動きである とい
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う面がある一方で、例えば 、中央銀行、一般の銀行の外でステーブルコインが広が るというような動きになりますと、決済のフラグメンテーションが進むというリス クも考えられますし、あるいはアメリカドルの ステーブルコインが 、アメリカ以外 の国、特に途上国で 広範に使われるということになりますと、そうした国の通貨主 権の問題にも影響してくる 、あるいは伝統的な銀行部門の外でのステーブルコイン の広がりという動きの場合には 、伝統的な銀行部門との間で資金が大量に 出入りす るというかたちで、金融システムの安定性に影響するということも考えられるとい う、広範なインプリケーションを持つものだと思います。そういうことで 、決済シ ステム全体の効率性とか安全性の観点から、私どもとしては適切な姿を考えていき たいと思っています。
(問) 二点伺います。一点目は、主に供給要因で、3 年連続で物価の上昇率が 2%超えで推 移しております 。本来は賃金と物価が相互に上がるという かたちが理想形でしょう けれども、供給主因で あれ、緩やかに基調物価も上がってきていると のご認識もお っしゃっていました。以前、例えば、24 年 3 月にマイナス金利を解除したときより も、デフレに戻ってしまうリスクというのが薄れたというご認識はありますでしょ うか。
二点目はビハインド ・ザ・カーブについてです 。先日、経済同友会の新浪代表から 、 トゥーマッチビハインドになることは良くないという声が 上がりました 。長らくデ フレに浸かってきた国がそれなりの率のインフレを経験すると、米国や欧州など諸 外国より、その上昇率の幅が小さくても 、そうなったときに経済に与える打撃が大 きくなるという可能性は考えられないでしょうか 。現状のご認識と 、ビハインド 状 態になることを防ぐために 、不確実性が完全に晴れ ない中でも利上げするという判 断があり得るのかどうかもお伺いできればと思います。
(答) 例えば、去年の 3 月と比べて、今後デフレに戻ってしまうリスクの評価が変わった かどうかというのが、一点目のご質問だと思うんですけれども 。そうですね、去年 の 3 月ですので、ちょっとデータ的な裏付けとかは何もないですけれども、直感的 には、そのときよりもデフレに戻ってしまうリスクは少し低下したというふうには みています。
それから、二番目は、ビハインド・ザ・カーブ になるリスク等に関するご質問です が、まず、先ほどもちょっと申し上げましたけれども 、賃金が物価に影響し、物価 が賃金に影響するというメカニズムは続いていますけれども、その中で 、例えば、 賃金がサービス価格に影響するという基調的物価をどんどん押し上げていくときに コアになるような部分が続いていますけれども、すごい加速しているというふうに はみていません。そういうことは ビハインド・ ザ・カーブに必ずしも陥ってないと いうことの一つの大きなポイントかなというふうに思います 。ただ、基調的物価が 以前よりも 2%に近づいてきている中で、あるいは同時に予想物価上昇率もある程 度高まっている中で、ヘッドラインといいますか、消費者物価総合の動きが、先ほ どもちょっと申し上げたかもしれませんが、基調的物価に、あるいは予想物 価上昇
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率に影響を及ぼしてしまうという可能性は 、以前よりも注意して みていかないとい けないのかなというふうに思っています。そういうことにも配慮しつつ、政策を決 めていければなと思います。
(問) 一点目は、ちょっとややこれまでの質問の繰り返しになってしまうかもしれないん ですが、関税を巡る不確実性についてやや後退して 、きわめて不確実性が高いとい うところから は、不確実性が高い状態が続いているという表現に変わっています。 また、物価についても、25 年度、大幅に上方修正して、物価のリスクバランスも下 振れリスクが強いという ところから中立的にしていると 。全体でみると、基調イン フレが持続的・安定的 2%を達成する蓋然性は 、前回展望レポート時よりは高まっ たと言えるのかどうか、そこをまず確認したいと思います。
二点目については 、物価のリスクの部分で 、食品価格の上昇が長引いて、予想イン フレや基調インフレに二次的波及の影響を及ぼす可能性について 、やや詳細に展望 レポートでは記述がありますけれども、これはやはり物価の上振れリスクに 、以前 よりは意識が高まっているということでいいのか 。その場合、経済の下振れリスク とそうした物価の上振れリスクの両方 をみるということだと思うんですけれども、 そのバランスというのは、前回の展望レポート対比で変化しているのか、その 辺り をお願い致します。
(答) 一番目のご質問について申し上げれば、特に 、関税を巡る不確実性が 、最初に申し 上げた日米交渉 が合意に至ったこと 、あるいはアメリカとその他の国との交渉がい くつか合意に至りつつある 、至ったということ等を通じて、そこの部分の不確実性 がある程度低下し、端的に申し上げれば、私ども、4 月と今回7 月、展望レポートの 見通しをそんなに変えていない 、今年度のインフレ 率のところ除きますと 、あまり 変えてないんですが、その見通し実現の 確度のようなものは少し高まったというふ うに考えています。
それから二番目のご質問は、物価と経済のリスクのバランスというお話だったと思 いますけれども、経済の方は下振れリスクが続いてる 、つまり、関税の行き着く先 はある程度みえてきた部分があるけれども、その影響についてはまだこれから確認 しないといけないということで下振れリスクに配慮しているということですが、 物 価についてですが、いったん 25 年度の物価見通し、中心的な見通しをかなり大きく 引き上げましたので、そ こからは物価の上下見通しはバランスしているという姿に なっているということだと思います。ちょっと答えになってるかどうか。
(問) そうなるとやはり 、経済の下振れリスクの方が政策運営上は重視すべきという理解 でよろしいでしょうか。
(答) いえ。金融政策上どっちのリスクをということですけれども、当然 、物価の上振れ
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リスクは、先ほど来申し上げてますように 、見通しで基調的物価上昇率がだんだん 2[%]に収束していくというところから更に上振れるリスクのことを意味してるわけ ですから、それは 重視して考えたいと思いますし、経済の下振れリスクの方は 、物 価にも影響しますけれども、こ こから経済あるいは物価が多少下振れた場合に、や はり私どもの立ち位置としましては、政策金利が 0.5[%]の低い水準であるという ことは意識していないといけないかなということだと思います。
(問) 二点お伺いします。一つ、またこれ関税の話で恐縮なんですが 、日米以外の部分で すね、いくつか合意した交渉があ りますけれども 、今回の議論に当たってどの辺ま で織り込んでいるか、米中はまた 3 か月延期ということになりましたが、日米以外 の部分のやり取りの中で、特に日銀の金融政策を考えるに 当たって、リスクとして 意識すべき点、おそらく 、例えば米中のあり方ですとか、米欧がどういう影響が出 てくるかとかいろいろあるかと思うんですが、あるいは東南アジアはどうかとかで すね、そういったところについて一点ちょっとご教示頂ければと思います。
もう一点が政治の関連なんですが、アメリカで FRBに対してトランプ大統領が利 下げを再三要求する展開にな っています。片や日本をみますと、先の参院選で減税 等を掲げる国民民主党ですとか参政党ですとかが躍進し 、今後政権の枠組みがどう なるかというような状況にあります 。例えば、仮の話で恐縮ですが 、かつてのよう にですね、政権の枠組みが変わるなどして、今後日銀に対してですね 、何らかの金 融政策の要求が出てきたような場合に 、日銀としてどう対峙していくかということ についての総裁のお考えをお聞かせください。
(答) 一点目は、日米以外の関税な いし関税交渉の行方を 、経済を見通す際にどういうふ うに考えているかというご質問だったと思いますが、この中には 、非常に大まかに ですけれども、日本以外の国に対するアメリカの関税を みてみますと、概ね日本と そんなに違わない関税率になりつつあるということが言えるかと思います 。その結 果、関税の影響を考える際に、日本だけがものすごい有利になるとか、逆に 不利に なるとか、そういう部分はそんなに考えなくてよくて、関税率が 0 に近かったのが、 かなり高い水準になるということが、アメリカの例えば消費者あるいは海外の製品 を利用する生産者にコスト高になって、そこ に影響して、そ こからいろんな国に波 及していくというルートを中心に考えればいいという かたちで見通しに織り込んで いるということでございます。
すみません。二番目のご質問をちょっともう 1 回お願いします。
(問) 端的に申し上げると 、日本においてですね 、政治から日銀の金融政策について何ら かの要求が今後高まってきたような場合に、日銀としてどう対応するか 、対峙して いくかということです。
(答)
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まず一般論として、中央銀行の独立性は 、物価あるいはマクロ経済の安定にとって 重要な制度的工夫であるというふうに思っています 。私どもに引き付けてどうする のかというご質問であれば、いろいろな お話はあるかもしれませんけれども、基本 的に私どもとしては、経済・物価の姿を みながら物価安定のために 、より詳しくは 持続的・安定的な 2%の目標の達成のために 、適切な政策を判断し続けるというこ とに尽きるかと思います。
(問) 基調的物価の部分で先ほどですね 、ヘッドラインの部分が基 調的物価にこれからど ういう影響を及ぼしていくかっていうところを、より一層注意して ご覧になってい くというお話 がありましたが 、現状はですね、今の段階ではヘッドライン、消費者 物価という部分がですね、いわゆる二次的な影響という かたちで、基調的な物価に 影響を与えるっていう状況にはないというふうにお考えでしょうか 。今の現状のと らえ方を教えてください。
(答) 例えばここ 3 年くらいを振り返ってみますと、一つのメカニズムを申し上げれば、 ヘッドラインのインフレ率が高いことがある 年に、その次の年の賃金上昇率に影響 を与えて、そうするとまたサービス価格に跳ねるという かたちで、だんだん基調的 物価にも影響する、そういうメカニズムはあったと思います。従っ て、ヘッドライ ンのインフレが高いという状態が長く続くという場合にはある程度注意しないとい けないと、基調的物価への影響について注意しないといけないということだと思い ます。
(問) そうすると今、足元の食料品価格を起因とするものっていうのも、大なり小なり、 基調的物価の影響というところを与えているんでしょうか。
(答) それはですから 、今後見通し通りに食料品価格が落ち着いてくるかどうかというと ころに大きく左右されるように思います。
(問) 経済界からの声と 利上げについてお伺いします 。経済同友会の新浪代表幹事が一昨 日、物価が非常に高い状況にあり、利上げしない理由が 分からないと発言するなど、 経済界からも利上げを求める声が上がっています。こうした声も踏まえて早期の 利 上げ、年内の利上げがあるのかどうかお伺いしたいと思います。
(答) これは先ほど来、いろいろご質問があってお答えしている点と重なりますけれども、 現状は私どもが重視しています基調的な物価の動きは強くなってきてるけど、まだ 2%には届いていないというふうにみています。従って、緩和的な金融環境を維持し ているということであります 。それに対する懸念としては、そんなことをしている と、どこか近い将来でビハインド・ザ・カーブ になるんではないかという懸念だと
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思いますけれども、それもいくつかご質問があってお答えしたように、今のところ そのリスクはそれほど高くないというふうにみているということでございます。
(問) ちょっと為替についてお伺いしたいんですけれども、足元 、対ドルで円安というの は進んでいて 150 円にちょっと近づいてきています。もちろん為替そのものどうこ うということではない と思うんですけれども 、為替がどのように物価に影響を与え るかっていうのはこれまでも注意深く みてきてらしたと思うんですが、今 、為替か らくる物価上昇リスクっていうことについて、どういうふうにご覧になっているか 。 まだ 160 円とかそういった以前のようなレベルではないんですけれども、総裁のご 見解をお願いします。
(答) そうですね。将来為替がどう 動くか分かりませんけれども、足元の動きということ であれば、私どもの見通しの中 で前提としている為替の水準からすごい大きくずれ ているわけではございませんので、例えば物価の見通しに、 直ちに大きな影響があ るというふうには今のところ みておりませんが 、注意してみていきたいという点は これまで通りでございます。
(問) 総裁以前は消費者マインドなどが悪化しているので 7 月以降のハードデータを確認 したいとおっしゃっていましたが、日本を含めて各国で関税交渉の合意が進んでい ることで先行きの不透明感が後退し 、この先ソフトデータが回復する可能性もある と思うんですが、その場合ハードデータを確認する前に利上げを判断することは可 能なのでしょうか。
(答) 消費のところで申し上げれば、特に日本ですと、関税というよりはヘッドラインの インフレあるいは食料のインフレで消費者マインドが悪化し、それが消費に若干の 悪影響を与えてきたということはあると思います。ただ 、消費者マインドに関する 足元のデータを みますと、それは、若干ですが好転しているということかなと思い ます。そのうえでこうしたソフトな情報だけで金融政策の判断をすることがあるか ということですけれども、絶対ないとは申し上げられませんが、今の局面では、特 に関税政策の影響が様々な輸出 ・生産、アメリカであれば雇用 、その他に、ハード データにどういう影響が現れてくるかということを みたいなというところではござ います。
(問) 先の参院選でもですね 、物価高対策っていうのが最大の焦点だったわけですね 。与 野党からは給付金や消費税減税 ・廃止という話も出てると 。しかしそういう政策っ ていうのは、むしろ景気刺激的であって、物価を上げるような、むしろ矛盾した政 策なわけですけれども、本来であれば、一番物価高対策になる日銀の利上げという のが、あまり焦点にならないのはどうしてなのかということをお伺いしたんですけ ど。まず先ほど同友会の 新浪さんが利上げをとおっしゃったことに対して 、総裁が
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先ほどご回答 がありましたけれども 、賃金と物価の好循環論とか、あるいは基調的 インフレ率がまだ 2%を下回ってるっていうそういう説明と、今、世間で言われて いる物価高に対する何らかの対策をということの話に、 非常に矛盾というか 噛み合 っていないご説明のように聞こえるんですけれども、そこはどういうふうにうまく 整合性を持って説明されるんでしょうか。
(答) 物価高対策として金融引 き締めがストレートに きれいに当てはまるケースというの はちょっと図式的に申し上げますが、需要サイドからの強い圧力で物価が上がって いるという場合だと思います。そうしますと 、金利を上げることによって、 過熱す る景気を冷やしつつ物価を下げるというこ とになるということだと思います。これ に対して、現在の物価高のかなりの部分が供給サイドの要因によっている 。このと きに利上げで対応しようとしますと、どういうことになるかというと、必ずしも 景 気がものすごい過熱しているわけではないのに、景気を 利上げで冷やして所得が減 るから、例えば食料品に対する支出が減って食料品価格も下がるというルートにな ります。これは本当に望ましいかどうかということについて 、皆さん、考え込んで しまうというところがあるのかなというふうに思っています。
(問) 今の企業の値上げ 、積極的な行動が続いて いるというお話なんですけれども、値上 げを続けている食品メーカーからは値上げの 度に消費者が離れていくということで 、 そろそろ値上げも限界なんじゃないかといった声や 、反対に消費者側はやはり値上 げ疲れといったところが指摘されるところなんですけども 、日銀としては実質賃金 の明確なプラ スまで利上げを待つべきとお考えなのか 、総裁として、今、実質賃金 マイナスなんですけれども、プラス転換をどのぐらいの時期を みてらっしゃいます でしょうか。
(答) 先ほど来申し上げてますように、足元の物価上昇の主因であります食料品価格上昇 については今後落ち着いてくるというふうに みていますので、一方で今年の春闘は 力強い結果に終わっているということと合わせますと、いつからこの実質賃金の今 マイナスの伸びがプラスになるのか ということを予想するのは難しいですけれども、 年後半にいくにつれて実質賃金については良い動きが出てくるというふうには みて おります。
(問) 先ほどの方は食品会社 などがすごく値上げに苦しんでいるという話もありましたし 、 利上げで物価を抑えるべきではないかというご質問もあったんですけれども 、おっ しゃる通り、供給サイドから くる場合は、冷やし過ぎてしまうとリスクがあると思 うんですけれども 、円相場がやはり円安に 過ぎるので、為替の方からですね 、食品 値上げにせざるを得ない状況が生まれて て、今のインフレはかなりの程度に円安の 要素もあるんだろうと思うんですけれども 。そういう意味では 、先ほど予想の範囲 内とおっしゃられましたけど、為替が、例えばこれが 110 円とかに早い段階からな っていたらだい ぶ緩和できてたものだと思うんですね 。そういう意味で 、利上げを
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すれば、で為替を支えられればだいぶ違うのかなと。今 140 円台ではあるんですけ れども、円ユーロで言うとですね、去年ちょうど 1 年前利上げされたときの水準に まで下がってきていますし、それからその直前の 4 月に 10 兆円の介入をした際も、 円ユーロは 170 円だったんですよね。非常にかなりフリーフォールに陥りかねない ようなレベルまで為替はですね、円ドルではまだ少しあるんですけれどもきている と思うので。もちろん、利上げのですね、今すべきかどうかというのは後から振り 返ると間違えたと言われるリスクが高い局面ですからしづらいのは 分かるんですけ れども、機動的にという意味では、いったん若干の 利上げをして、インフレに対し て歯止めをかけるというのも一つの理屈かなと思うんですけども、為替の面からで すね。為替について注視していくとおっしゃっておられますけれども 、1 年前は利 上げの理由に為替も 挙げておられましたよね。その点からみて今、為替をどう みて おられるのか教えて頂けますか。
(答) 為替について、直接のコメントをすることは控えさせて 頂いております。それで、 全体的には、ご質問全体についてですけれども、これまでの繰り返しで恐縮ですけ れども、政策 運営としては、やはりインフレ率を持続的 ・安定的に 2%に導いてい くという観点から、何が適切かということを考えたいと思っています。
(問) 今までのお話の中で 、関税の影響で経済が鈍化して物価に下押しがかかって 、これ から基調物価が一度伸び悩んでいく、そういう姿は前回の展望レポートから変わら ないということだったと思います 。これから経済とか物価が一度落ち込んでいく中 で、政策金利を引き上げる 、物価の落ち込みが一 時的なものなのか、それとも経済 が後退局面に入っている可能性もある中で、それをどうやって一時的 と判断するん でしょうか。ヘッドラインの物価が下がっている中で 、利上げの判断をするのは非 常に難しくなるんじゃないかなというふうに感じているんですが 、そうなった場合、 一度基調的物価がまた上がり出したっていうのを待つとなると、来年ですとか来年 度ですとか、かなりまた先になってしまうと思うんですが、そうやってこれから物 価が少しずつ下がっていくと見通されてる中で 、どうやって国民とかマーケットを 納得させながら政策金利の引き上げっていう判断をしていくのか教えてください。
(答) それはきわめて難しい、大事な点だと思いますけれども、こうすれば判断できると いう明快な処方箋のようなものがあるわけではないんですけれども、例えば IMF の世界見通しでも、アメリカ経済 あるいは世界経済、今年はちょっと減速するけれ ども、来年以降成長率は少しずつ戻っていくという見通しになっています。つまり、 関税の経済減速という影響が一時的であるということを前提にしているんだと思い ます。そうしたことが様々なデータから、彼らの想定しているメカニズム通り、あ るいはわれわれの想定しているメカニズム通りであるかどうかということを 、チェ ックしていくということでしかないかなと思いますし、もう少し具体的なポイント を一つ申し上げれば、賃金と物価が相互にプラスに影響し合うというメカニズムが 働き出して、働き続けているわけですが、こういうメカニズムがあまり途切れずに 続いていくか、多少率は低下してもですね、プラスに影響し合うというメカニズム
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が続いていくかどうかという 辺りは、一つの大きな判断材料になるかと思っていま す。
(問) 今の質問と重複するのですが、基調的な物価上昇 率につきましては 、今後関税の影 響でいったん伸び悩んだ後に徐々に高まっていくというふうに言っておられまして 、 外からみえない基調というものがですね、今後複雑な動きをしていくという局面に 入るということだと思うんですけれども 、総裁はこの基調的な物価上昇について 、 そういった局面ではより丁寧にですね、より具体的にもっと 分かりやすく説明しな きゃいけないというふうにお考えなのか 、その必要性をどのように感じておられる かお願いします。
(答) 基調的物価上昇率という概念、大事なんですけれども、なかなか 分かりにくいし、 データでなかなかきちんと みることができない中で 、説明を工夫しないといけない なということはずっと思っておりまして、従って今日の冒頭のご説明でも、やや具 体的に基調的物価上昇率の 、そのものではないですが、それに近いインフレ率と思 われる変数いくつかの動きについてご説明したりしました 。こういうことは一段の 工夫を重ねつつ続けていきたいと思っております。
(問) 先ほど、ETFの処分について 、まさに今時間をかけて検討 している最中だという お答えでしたけども、総裁のご任期、あと 2 年半以上残っておりますけども、その ご任期の間にですね、処分を開始されるなりあるいは道筋をつけるなり、そういっ たことをしたい というお考えはあるのか、あるいはそういった 任期という要素はあ まりそういう ETFの処分に関してはあまり考慮されないのか 、その辺りはいかが なんでしょうか。
(答) そうですね。それはいつも申し上げているような 、原則に照らして適切なやり方が あるかどうかということを第一に考えたいと思います。自分の任期中に何が何でも 片付けてしまいたいとか、そういうことを考えるのは必ずしも 良くないことである というふうに思います。
(問) ちょっと感覚的なお話で恐縮なんですが、日本銀行は国民の目にどのように映って いると思われますか 。というのも、参院選に象徴されるように 、国民は物価がだん だん上がることを困ったことだと受け止めていますが、日本銀行は 2%インフレを 目指していて 、未だそこに届いてはいないと言っている 。幸か不幸か、 日銀のスタ ンスというのは国民にあまり認識されてないようにも思うんですけれども、どう映 っているのか、どう映りたいのかというところに、思いを伺えればなと思います。
(答) どう映ってるかという点 、必ずしも的確に把握できてるかどうか 分かりませんが、
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大まかにゼロインフレくらいのときから現在の状態になる中で、インフレ率と賃金 上昇率、両方上がってるということは、必ずしも大きなマイナスであるというふう には考えられてないと思うんですが、しかし、両者を比較してみると 、物価の方が 大きめに上がっている 。その要因としては 、サプライショックの影響が大きかった ということだと思いますが 、そうした中でデフレ の克服あるいは 2%インフレへの 動きが続いているということが、国民への説明あるいはコミュニケーション 、非常 に難しくしてるということは、常に意識しております。
(問) 展望レポートの関連なんですけれども 、アメリカの関税政策の日本の物価への影響 っていうものが 、展望レポートで皆さんが想定されるほど本当に大きなものなのだ ろうかと。これまでの過去の円安で企業収益は高い水準も続いていますし、追加で かかる関税というのは 、これまでの蓄えによってカバーできるのではないかと思う んですけれども 、影響の度合いについてどのように考えてらっしゃるか 、改めて教 えてください。
(答) 先ほど来の議論と重なる部分があると思いますけれども、まず、これまでのところ はものすごい大きな影響が日本経済 、ハードデータに表れているという段階ではな いと思います。これに対して、われわれの見通しでは年後半、もう年後半に入りつ つありますが、にはある程度のマイナスの影響が発生する ということを見込んでい ますし、世界の他の調査 機関も概ねそういう見通しであるかと思います 。そういう 見通しを作ってる人たちとよく話をしますけれども、依然としてそういう見通し を 変えていない人が多い、あるいは 機関が多いというふうに思います。ただし 、一部 にひょっとしたらそれほど大したことはなくて済んでしまうかもしれない 、という 人たちが出てきていることも事実かと思います。ただ 、現状では私どもも 、経済は 世界全体あるいは日本を含めて、こ こから減速に向かう 、その減速の程度を見極め たいという、 不確実性が高いので、ということであ るかと思います。ただ 、その中 で、これまで テールリスクとして場合によってはあった 、崖を落ちるような動き、 これはかなり可能性が少なくなってきたのではないかと 、そんなふうに考えており ます。
(注1) 会見では「25 と 26」と発言しましたが、正しくは「25 から 27」です。 (注2) 会見では「6 月ですかね」と発言しましたが、正しくは「7 月」です。
以 上
The Cadence Brief
The one number that moved central bank pricing — delivered each weekday morning.