Bank of Japan press conference —
Bank of Japan press conference, 19 September 2025. The BOJ held rates at 0.50%. The Bank of Japan maintained its policy rate at 0.5% while two members dissented in favor of a hike to 0.75%, and announced the start of ETF disposals. The overall tone is cautiously neutral with a hawkish bias, emphasizing data dependency and downside risks.
Featuring Kazuo Ueda
What this says
we decided by a majority vote to maintain the existing policy of encouraging the uncollateralized overnight call rate to remain at around 0.5%.
Member Takada submitted a proposal to raise the policy interest rate to around 0.75%, arguing that the norm of prices not rising has shifted and that the achievement of the price stability target has been broadly attained. Member Tamura also submitted a proposal to raise the policy rate to around 0.75%, citing the need to move closer to the neutral interest rate amid growing upside risks to prices.
the year-on-year rate of change in the consumer price index (excluding fresh food) is currently in the upper 2% range, due to the continued pass-through of wage increases to selling prices and the impact of rising food prices such as rice.
There are various risk factors surrounding this outlook, but in particular, uncertainty regarding future developments in trade policies of various countries and their impact on overseas economic and price developments remains high, and it is necessary to pay close attention to their impact on financial and foreign exchange markets and Japan's economy and prices.
Given that the current real interest rate is at an extremely low level, if the above outlook for the economy and prices is realized, we think that we will continue to raise the policy interest rate and adjust the degree of monetary easing in response to improvements in economic and price conditions.
we judged it appropriate to decide to start the disposal of ETFs and others at this timing.
Member Takada proposed based on the reason that the norm of prices not rising has shifted and the achievement of the price stability target has been broadly attained. Member Tamura also proposed 0.75%, but his reason focused on the growing upside risks to prices, proposing to move a bit closer to the neutral interest rate. Since other members opposed these proposals, it means they did not fully agree with the reasons put forward by each.
my assessment is that it is still slightly below that, but in the process of approaching 2%.
we also need to be mindful of downside risks to the economy, and through that, downside risks to prices.
Regarding future monetary policy, as you pointed out, amid high uncertainty, we would like to see a bit more data and information.
Therefore, we do not currently see that factors such as U.S. tariff policies are having a major negative impact on the economy.
Regarding that, the basic policy for disposal is to allow for temporary adjustments or suspensions of the sale amount in the case of short-term market turmoil. However, if there is a more significant change, we would return to the basic policy and consider the matter, and if necessary, we would reconsider an appropriate response policy at a Policy Board meeting.
Therefore, for example, if food inflation declines and short-term household inflation expectations calm down accordingly, that does not necessarily mean it is negative for achieving our price stability target.
Basically, the rise in the food component of the inflation rate has been temporary, and it will subside going forward, so we see no major impact on the underlying trend.
The merit is that by selling gradually, we can minimize disruptive effects on the market.
To reiterate, we are maintaining accommodative policy while the underlying inflation rate is in the process of rising toward 2%.
So, from the October meeting through the January meeting next year, I think these will be important meetings for judging the Bank of Japan's next interest rate decision.
today we have decided to begin the disposal of ETFs and other assets.
We still maintain the view that there is a considerable downside risk. However, as I have been saying, for example, while the downside risk to the U.S. economy has not materialized much so far, the possibility of it emerging in the future still remains.
two board members voted against maintaining the current policy and interest rates.
Regarding the decision on a rate hike, as I have been saying today, it will involve carefully examining how much the downside risks to Japan's economy and prices from U.S. tariff policies materialize, and conversely, whether food price inflation subsides as expected.
Transcript
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2025年9月22日 日本銀行
総裁記者会見 ――2025年9月19日(金)午後3時30分から約65分
(問) 本日の金融政策決定会合の内容について、ご説明をお願いします。
(答) 今日の決定会合では、金融市場調節方針を決定 致しました。また、日本銀行が保有 するETFおよびJ-REITについて、市場への売却を行うことも決定しました。 まず市場調節方針ですが、無担保コールレート ・オーバーナイト物を 0.5%程度で 推移するよう促すというこれまでの方針を維持することを賛成多数で決定しました。 高田委員は、物価が上がらないノルムが転換し、物価安定の目標の実現が 概ね達成 されたとして、それから田村委員は、物価上振れリスクが膨らんでいる中、中立金 利にもう少し近づけるためとして、政策金利を二人ともそれぞれ 0.75%程度に引き 上げる議案を提出しましたが、反対多数で否決されました。次に金融市場調節方針 の決定の背景となる経済 ・物価動向についてご説明します。わが国の景気の現状に ついては、一部に弱めの動きも みられるが緩やかに回復してい ると判断しました。 先行きについては、各国の通商政策等の影響を受けて、海外経済が減速し、わが国 企業の収益なども下押しされるもとで 、緩和的な金融環境などが下支え要因として 作用するものの、成長ペースは鈍化すると考えられます。その後については、海外 経済が緩やかな成長経路に復していくもとで成長率を高めていくと見込まれます。 物価ですが、生鮮食品を除く消費者物価の前年比は、賃金上昇の販売価格への転嫁 の動きが続くもとで 、米などの食料品価格の上昇の影響等から、足元では 2%台後 半となっています。先行きですが、このところの米などの食料品価格上昇の影響は 減衰していくと考えられます。この間 、消費者物価の基調的な上昇率は、成長ペー ス鈍化などの影響を受けて伸び悩むものの、その後は成長率が高まるも とで、人手 不足感が強まり、中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから、徐々に高ま っていくと予想されます。展望レポートの見通し期間後半には 、物価安定の目標と 概ね整合的な水準で推移すると考えられます。こうした見通しを巡るリスク要因と しては、様々なものがありますが、特に各国の通商政策等の今後の展開 や、その影 響を受けた海外の経済 ・物価動向を巡る 不確実性は高い状況が続いており、その金 融・為替市場やわが国経済・物価への影響については、十分注 視する必要がありま す。
続いて、今後の金融政策運営についてです。金融政策運営は、現在の実質金利が き わめて低い水準であることを踏まえますと、以上のような 経済・物価の見通しが 実 現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて引き続き政策金利を引き上げ 、 金融緩和の度合いを調整していくことになると考えています。その うえで、こうし た見通しが実現していくかについては、各国の通商政 策等の今後の展開や、 その影 響を巡る不確実性が高い状況が続いていることを踏まえ、内外の経済・物価情勢や、
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金融市場の動向等を丁寧に確認し、予断を持たずに判断していくことが重要と考え ています。私どもは 2%の物価安定の目標のもとで、その持続的 ・安定的な実現と いう観点から、経済・物価 ・金融情勢に応じて適切に 金融政策を運営していく方針 です。
最後に、ETFおよびJ-REIT の売却についてご説明します。 ETF等につい ては、昨年 3 月に新規の買入れを終了し、その後、処分のあり方を検討してきまし たが、今日の決定会合において 、保有するETF等について市場への売却を行うこ とを全員一致で決定しました。具体的には、 ETFについては、簿価で年間 3,300 億円程度、J-REITについては簿価で年間 50 億円程度のペースで、取引所市場 で形成される価格に基づき、市場への売却を行います。こうした売却額については、 市場等に攪乱的な影響を与えることを極力回避する観点から、本年 7 月に完了した、 金融機関から 買い入れた株式の売却 と、同程度の規模としています。また、こうし た売却ペースのもとで市場の状況に応じ、売却額の一時的な調整や 停止を行うこと ができるとするなど、市場の安定に配慮するための柔軟性も確保しています。なお、 ETF等の処分を開始した後、処分に関する基本方針や今後の売却の経験を踏まえ、 金融政策決定会合において、年間の売却ペースを見直す こともあり得ると考えてい ます。日本銀行では 、今後、ETF等の処分にかかる受託者を選定した うえで、所 要の準備が整い次第、処分を開始する予定です。
(問) 幹事社からは二問質問があります 。一問目は追加利上げ に向けた判断材料について です。アメリカの関税政策や金融政策、アメリカの金融政策がアメリカや世界経済 に与える影響、それに伴う日本経済 ・物価への下押しの影響やその不確実性につい て、前回 7 月時点と比べてどのように変化したのかを教えてください。日本経済の 先行きについては、円安の影響もあって大きな減速に陥る可能性は低いという見方 もありますが、この点も踏まえてどのようにお考えかを教えてください。
二問目は、ETFとJ-REITの売却方針についてお伺いします。株式市場では 日経平均が最高値を連日更新している状況にあります 。このタイミングで売却を決 めた理由を教えてください 。また、ETF、J-REIT をこのペースで売却した 場合、全てを売却するまでにそれぞれ何年かかるのでしょうか 。この点も踏まえて、 日銀が金融政策の一環として ETF、J-REIT というリスク性 資産を大量に買 い入れたことの是非について、どのようにお考えでしょうか。
(答) まず、一問目ですけれども、7 月会合以降の状況を確認 致しますと、まずアメリカ 経済についてですが、雇用 、消費の一部に弱めの動きが みられていますが、これま でのところ、消費者物価への関税転嫁の動きは緩やかなものにとどまっています。 こうした中、一昨日の FRBによる利下げは、米国経済を下支えする方向で作用す るとみています。その うえで、世界経済については 、各国の通商政策等の影響を受 けていったん減速するものの、その後は緩やかな成長経路に復していくという見通 しは変わっていません。次に 、わが国に対する影響ですが 、米国の関税政策は、製 造業中心に収益面でマイナスの影響を及ぼしているものの、これまでのところ、設
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備投資や雇用 ・賃金動向を含め、経済全体に波及して いる様子は窺われません。こ うしたもとで 、消費者物価の基調的な上昇率は 、引き続き 2%に向けて緩やかに上 昇していると みています。この間、米国との交渉の結果、自動車等の関税率が決ま ったことは、 わが国経済を巡る不確実性の低下 につながると認識していますし、 7 月の展望レポートでお示しした経済・物価の中心的な見通しも、現時点で修正する 必要はないと判断しています。つまり、 わが国経済は、関税政策による下押し圧力 を受けつつも持ちこたえ 、基調的な物価上昇率もいったん伸び悩む局面はあるもの の、その後は 2%に向けて徐々に高まっていくと考えています。 もっとも、米中間 の関税交渉は現在も継続していますし、各国の通商政策等が金融 ・為替市場やわが 国の経済・物価に及ぼす影響についても、なお不確実性が高い状況が続いているこ とには十分な 留意が必要です。こうした 点を踏まえ、今回の関税に関する合意を受 けた企業等の対応を含め、今後明らかとなるデータやヒアリング情報を丁寧に確認 し、経済・物価情勢を点検してまいりたいと思っています。
それからETF等の売却方針についてですが、これについては、まず昨年 3 月に新 規買入れの終了を決定した後、処分のあり方について検討してまいりました。この 間、今年の 7 月に、金融機関から買い入れた株式の処分が完了しましたが、その過 程でETF等の売却を進める うえでの有益な知見が蓄積された ほか、それを踏まえ た実務的な検討にもめどがついたことから、このタイミングで ETF等の処分の開 始を決定することが適当であると判断 致しました。特定の株価水準等を念頭に置い ての判断ではございません 。それから売却に要する期間ですが、今回決定した売却 ペースで売却するとした場合、 ETF 、J-REIT ともに、単純に計算すれば 100 年以上かかることになります。買入れの評価ですけれども 、ETF等の買入れ は、市場のリスク ・プレミアムへの働きかけを通じて、市場の不安定な動きが企業 や家計のコンフィデンス悪化 につながることを防止し、経済 ・物価にプラスの影響 を及ぼすことを目的としたものです。こうした施策は、2%の物価安定の目標を実現 するための大規模な金融緩和の一環として 、必要なものであったと認識しています。 また、リスク ・プレミアムに働きかける効果を十分に高めるためには、相応の規模 のETF等を買い入れる必要があったと考えています。他方で 、こうした施策を終 了し、ETF等を売却する局面では、市場に対する 攪乱的な影響を極力回避するよ う、少しずつ処分を進めていくことが適切であると考えています。
(問) 私からも二問お伺いします。一つはですね、今日 二人の政策委員から利上げの提案 があったことについてです。0.75%程度に上げるよう議案が提出されたということ ですが、この議案を巡る議論について、もう少しご説明を頂ければと思います。次 回会合での取り扱い等についても、どういう議論があったかとか、そういったとこ ろについてもお伺いできればと思います。
もう一個、今説明があったETF、J-REITの処分についてです。これ、確認 の意味合いが強いんですが、全額売却すると 100 年を超えるということだったんで すけれども、これ、現 時点で全額を売却するということは決まっているのか、それ ともそこについては決めないで取りあえず着手したという段階なのか、その辺につ いてご教示ください。
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(答) 前段ですけれども、詳しいことは議事要旨をご覧頂くしかないと思いますけれども、 先ほど申し上げましたように、高田委員は、物価が上がらないノルムは転換して、 物価安定目標の実現が概ね達成されたという理由で提案されましたし、田村委員は、 提案はやはり 0.75%ですが、理由としては、物価の上振れリスクが膨らんでいると いうことに着目され、中立金利にもう少し近づけるた めということで提案されまし た。これらの提案に対して他の委員は反対されましたので、必ずしもそれぞれが提 案された理由に、完全には同意されなかったということになるかと思います。
それからETFについては、現時点では、今日発表させて頂いたようなペースで 淡々と、100 年後われわれはいないわけですけれども、100 年以上かけて売っていく というつもりでおります。
(問) 今ほどの質問とちょっと似てるんですけれども、まず今日の金利の決定について、 高田委員がですね、ノルムが転換して物価安定目標の実現を概ね達成されたと、田 村委員が上振れリスクについても言及されてます。総裁ご自身のですね、このお二 人のご意見に対する違い、距離感というものがどの程度なのか、というところを教 えて頂けますでしょうか。
二点目はですね、またETFなんですけれども、単純計算、同じペースで売却して いくと、100 年以上かかりますと。今回政策を決められた当事者としてですね、ま さにもういらっしゃらないということなんですけども、どういうふうな政策決定の 責任を負うのかっていうところについて、そういった意味では、 100 年かけて売っ ていくのか、どちらかというとペースを速 められるんであればもうちょっと短くし ていきたいというお気持ちなのか、その点を教えてください。
(答) 前半は先ほどのご質問と同じで、ただ私の意見はというご質問だったと思いますけ れども、基本的には、基調的な物価上昇率という表現で申し上げれば、高田委員は、 概ねそれが 2%前後のところに達しているという評価をされたと思いますけれども、 私の評価としては、まだ少し下回っていて、しかし 2%に向けて近づきつつある過 程にあるという評価でございます。それから、田村委員は、見通し対比物価の上振 れリスクが膨らんでいるということで、利上げ提案をされたわけですけれども、私 の認識では、それももちろんリスクとして一つあると思いますけれども 、米国の関 税政策の影響等がこれから一段と出てくる可能性がある中で、景気に対する下振れ リスク、それを通じて物価に対する下振れリスク、これも意識しないといけないと いうふうに考えています。
それから、私どもの現在のボードメンバーの任期を 越えて、非常に長い期間がかか る政策についてどういうふうに責任を負うのかというご質問だったと思いますが、 もちろん文字通り最後まで見届けるということはできないような内容ではあるわけ ですが、こういう意思決定に至った経緯、それから、どういう基本方針でやってい
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くのか、そういう考え方をきちっ と残しておくことによって、後を引き継ぐ新しい ボードメンバーが次々にこの提案を実行していってくださるというふうに考えてい ます。
(問) 二点質問させてください。まず米国の物価動向について伺います。今後も年末にか けてですね、アメリカの方でクリスマス商戦が始まってきますけれども、これを契 機に関税の消費 者価格への転嫁が進む可能性が指摘されております。総裁は米国の インフレ動向を確認するうえで、クリスマス商戦の結果をみる必要があるというふ うにお考えでいらっしゃいますでしょうか。もう一点、国内経済についてです。総 裁は 7 月の記者会見でアメリカの関税政策の影響について、一気に霧が晴れること はなかなかないということでお話をされておられました。その後、自動車関税が実 際に引き下げられるなど、新たな動きも出ております。先ほど不確実性が低下して いるというお話もありましたけれども、それでもなお霧は深い状態なのか、それと も 7 月時点に比べると晴れつつあるのか、ご見解をお聞かせください。
(答) 関税との関連で、アメリカ経済、特に物価の動向、そして、そのまた日本等への影 響という点については、非常に難しいところかなと思っております。と申します の も、アメリカの輸入価格はかなり上がっているんですけれども、消費者物価への転 嫁は、ある程度出てきてはいますが、それほどは進んでいないという状況に現在あ るかと思います。これが標準的な見方では、今後出てくるであろう、それに伴って 消費へのマイナスの影響もある程度出てくるであろうということだと思う のですけ れども、これを見極めるのにどれくらいの時間がかかるかということについては、 非常に依然として不確実性が高いという状況だと思います。クリスマス商戦は一つ の大事なポイントでありますけれども、その前にかなりのことが分かって しまうと いうケースもあり得ますし、クリスマスまで待っても分か らないというケースもあ り得るかと思います。日本への影響についても同様に考えています。
(問) 私からも二点ありまして、一点目はETFの売却、 100 年以上かかるということな んですが、その間にですね、金融緩和がおそらく必要になる局面というのは必ず訪 れると思うんですけども、その際に売却をしているETF、J-REITを再び緩 和手段として活用するということが、普通に考えれば難しいと思うんですけども、 そういうことも考えられるのか、ETF売却の緩和手段としての有効性も含めてお 願いします。
二点目なんですが、今回、二人の審議委員が政策維持に反対されまして、総裁も基 調物価については 2%に近づいていますと、そういうふ うに発言されています。今、 ビハインド・ザ・カーブではないにしてもですね、やはりそういう政策調整の必要 性というのは、基調とか実質金利から考えた場合、確実に着実に強まっているとい うふうに考えておられるのか、この二点お願いします。
(答)
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将来のどこかで、金融政策上の観点から、ETFの購入ペースを変更する可能性が あるかというご質問だったと思いますが、前半は。それは現時点では考えていませ ん。
それから二番目ですけれども、これは、先ほどの最初の幹事社からの問いへの答え の中でも申し上げた通りですが、私ども、基本姿勢 としましては、現在発表させて 頂いている経済・物価見通しが実現していく、あるいは実現する確度が高まってい くとすれば、それに応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整し ていくことになるというふうに考えています。ただ、様々なリスク、特に米国の、 あるいは各国の通商政策の日本経済への影響を巡る不確実性が高い中で、もう少し データをみたいという局面にあるということでございます。
(問) すいません。一点目なんですが、今後緩和が必要になった場合に、ETFをまた再 び買うという選択肢はあるのかということをお伺いしたかったんですが。
(答) 現状では、それは視野に入れていません。
(問) 二点伺います。一点目は、今後の金融政策運営について、ちょっと繰り返しになり ますが、今回の会合で複数の政策委員の方が追加利上げを求めて政策金利の維持に 反対されました。総裁ご自身は、もう少し統計データですとか、ヒアリング情報が 必要だったり、みたかったり、確認したかったりということなのか、次の利上げに 対する距離感について、改めて伺えればと思います。
二点目は、ETFとJ-REITの処分に関する市場とのコミュニケーション、あ と実際の政策対応についてなんですけれども、今進めてる段階的な利上げの対応に 比べて、かなり雑な印象がある一方で、売り方は 100 年以上かける計算で、かなり 慎重な姿勢にもみえます。これはETFの購入ですとか、前に撤廃したイールドカ ーブ・コントロールですとか、ちょっと異質な政策の出口のやり方なのか、繰り返 しになりますけど、今後のコミュニケーションの考え方を踏まえて伺えればと思い ます。
(答) 今後の金融政策については、ご指摘頂いたように、不確実性が高い中、もう少しデ ータなり情報なりをみたいということでございます。
それから、ETF売却のタイミング、あるいはそれに至る事前のコミュニケーショ ン等に関する ご質問だったと思いますけれども、まずこのタイミングになった理由 としては、先ほど申し上げたように、7 月に金融機関から買い入れた株式の売却(注) が終了し、その過程で得られた知見をまとめ、実務的な検討にめどがついたという ことで、今日決定したということでございますが、事柄の性格上、なかなか事前に こういうふうに進めるということが、事前のガイダンス等なかなかできにくい手段
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であったということはご理解頂けたらと思います。
(問) 二点あります。足元までのヒアリング情報等も踏まえて、日本の経済の 7~9 月期、 今の期についてど うご覧になっているのか、すなわち消費も消費活動指数等をみる と弱めですし、直近で出た 8 月の貿易統計をみても、輸出に明確に、アメリカ向け の輸出の減速が出てますので、足元の 7~9 の経済についてどのような評価をされて いるのかが一点目です。
二点目は、先ほど少し言及があったアメリカ経済なんですけれども、雇用関連の指 標をみると、相当アメリカの雇用の落ち込み、深刻なのかなと思います。一方で、 おっしゃるようにリセッションを予想してるエコノミストはそれほどいないと思う んですが、先日ジャクソンホールにもいらっしゃって、いろん な方の意見も伺って、 全体としてアメリカの経済の先行きについてどのようにみてらっしゃるのか、お願 いします。
(答) まず、日本経済の第 3 四半期入り後の状況ですけれども、おっしゃるように、例え ば輸出にこれまでの駆け込みの若干の反動がみられたりしております。それから製 造業の収益も、7~9 月入り後、特にということではないですが、その前から少し減 少傾向だと。ただ、輸出については、減ったところをみてもまだ横ばい圏内、駆け 込みで上がって少し下がったところというところでございます。それから、企業収 益についても、全体をみますと高水準の収益が続いているというふうにみています。 あと、基本的な内需であります設備投資は緩やかな増加傾向を維持していますし、 消費はそれ以前と比べると若干弱めですが、それでも底堅く推移しているというふ うに今のところはみていますので、例えば米国の関税政策等の影響で経済に大きな マイナスの影響が現在発生しているというふうにはみていないというところでござ います。
それから、アメリカ経済の現状についてもう少し詳しくというご質問だったと思い ますけれども、これは非常に難しくて、おっしゃるように、雇用については減速の 傾向がみえている。他方で設備投資等、強かったり経済全体もある程度の底堅さを 維持しているということでございます。おそらく関税あるいは関税周りの不確実性 が一部の企業行動には影響を与えていて、それが雇用に出ている可能性はあるのか なと思ったり、そういう意見を聞いたりしています。他方で、もう少し別の要因と して、例えばAI周りの強さであったり、今後の規制緩和に対する期待で あったり に支えられて、設備投資あるいは経済のその他のところが強い、この両方の要因が 作用しているために、なかなか分かりにくいけれども、両方足してみると、ネット では現在まだ底堅さを維持している。ただし、先ほど申し上げたように、関税の消 費者物価への転嫁が進んでいったときにどういう姿に全体としてなるかというとこ ろは、まだ必ずしもみえていないというふうに聞いたりみたりしておりますけれど も。
(問)
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二点ございます。ETFとREITなんですけれども、マイナス金利の解除に加え て国債保有残高の縮小にも踏み切りまして、今回 更にETFの処分というところま で辿り着いたと いえると思います。こうした異次元緩和の最後の出口ともいえる政 策対応を決めたということについて、総裁自身どのように評価されているのかって いうのを一つお伺いしたいと思います。
もう一点が、こちらもETFなんですけれども、 100 年という長期の間で処分を進 めるということになれば、当然期間中にですね、経済情勢が悪くなったりして含み 損が出たりとかですね、そういったかたちで日銀の財務自身にですね、悪い影響を 与えるというリスクも抱えることになると思うんですけれども、その弊害につ いて どう考えるか教えてください。
(答) 債券については少し前から、大規模緩和のときに購入したものを少しずつ結果とし ては減らしていくということを始めてますし、ETFについては、今後、近い将来 に始めるということを今日決定したということで、いずれもまだそういう大きく膨 れ上がった残高を減らし始めた、あるいはこれから減らす準備ができたというとこ ろですので、100 年最後まで私、見届けることはできませんけれども、ある程度そ ういうプロセスが順調に進んでからでないと、そういうご質問が後であるかもしれ ませんが、全体の評価はなかなか難しいというふうにみています。
それから今後、今はみえていないような様々な要因で、市場環境等が大きく変化し たときに、という趣旨のご質問だったと思いますけれども、それについては、その 時点で処分の基本方針、もちろん短期的な市場の動揺等については売却額の一時的 な調整や停止を行うことができるというスキームにしたいと思いますが、もう少し 大きな変化があった場合には、基本方針に立ち返って検討するということになるか と思いますし、必要に応じて決定会合で何らかの適切な対応方針を再度考えるとい うことになるかと思います。
(問) 家計のインフレ期待に関してお伺いしたいんですけども、日本だと欧米のように、 短期のところはエネルギーとか食料に影響されて、それと日本だと過去 3 年間の賃 上げもあって、じりじりと上がってきてると思うんですけど、それによって中長期 のところも多少上がってるかと思うんですけど、足元をみると、 CPIの前年伸び 比が下がってきてて、来春の賃金をみると、減益の中で賃上げの話がくるかと思う んですけど、そういうようなものが家計の短期のインフレ期待を下押ししないか、 その辺のところをお伺いしたいんですけども。というのは、ずっと日銀の方 々って いうのは、インフレ期待をみるうえで、家計の短期のところが下がることを結構警 戒している向きが強かったと思うんですけども、その辺を現状で植田さんどのよう にご覧かをお伺いできればと思います。
(答) 家計のインフレ期待は、当然注目してモニターしていますけれども、短期と長期に も分けてみています。 更に短期のところが、これは日本だけでなくて、海外もそう
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ですけれども、特に短期のところが、エネルギーとか食品の動向に、他の例えばエ コノミストとか債券市場の期待以上に影響されるという性格も日本でみられてると 思いますけれど も、この短期の家計のインフレ期待が下がることがすごい問題であ るというふうに考えていないと思いますけれども、どういうレベルからどれくらい 下がるかということ次第ではありますけれども、むしろ消費との関連では、どちら かというと、短期のインフレ期待みたいなものが、消費マインドに影響して、これ があまり上がると、消費マインドにネガティブな影響があるということもあり得る と思いますので、例えば食品インフレが低下していって、それに応じて短期の家計 のインフレ期待が落ち着いていく ということが、必ずしもそれはわれわれの物価安 定目標の達成にマイナスになるとも限らないというふうにみています。
(問) 二点ございます。一点目は、今日、総務省が発表した CPIについて、総裁ご自身 がどうみてらっしゃるかという確認と、お米などの食料品価格についてですね、一 時的とみていいのか、基調物価に影響を与えるようなふうにみてらっしゃるのかっ ていうところが一点。
もう一つですけども、念のための確認で、 8 月のことで、ブルームバーグさんのイ ンタビューで、ベッセントさんが日銀は後手に回っている、利上げをしてインフレ の問題をコントロールする必要があるというご発言がございました。これについて、 総裁どういうふうに受け止めてらっしゃいますでしょうか。
(答) 今朝発表のCPIについては、概ね私どもの見通しに沿った動きだったというふう に理解しています。それから、今後、食料品関係のインフレ率が、私どもの見通し は少しずつ下がっていくというふうに、インフレ率としては下がっていくというふ うにみているわけですが、それが基調的物価との関連、基調的物価にどういう影響 があるかという質問だったと思うんですけれども、基本的にはそこは一時的な、こ れまでインフレ率の食品の部分の上昇で、今後それが収まっていくということなの で、基調には大きな影響はないという見方ですけれども、リスクとして、こうした 食料品インフレが長引いた場合に、例えば期待インフレ率に影響を与えて、それが 基調物価にも徐々にプラス、引き上げる方向に影響を及ぼすというリスクもあり得 ますし、他方で先ほどの質疑にもあった点と重なりますけれども、食料イン フレが 消費者マインドを委縮させて、食料は必需品の部分がかなりある ので買わざるを得 ないんですが、その他の財に対する消費が減少して、それが消費全体にブレーキを かける、あるいは経済、基調物価にも少しマイナスの影響を及ぼしていくというリ スクもゼロではないというふうにみています。どちらもメインシナリオではないわ けですが、それぞれについて注意しながらみていきたいと思っています。
それから、ベッセント長官の発言については、外国の要人の発言ですが、それに対 して直接コメントすることは差し控えさせて頂ければと思います。
(問) 二点質問させてください。まず、一点目ですが、米国の関税の影響について伺いま
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す。これまで植田総裁は、ハードデータがどうなってくるか、どのように出てくる かというところを確認していく考えを示されておりますが、現時点で今、日本経済 への影響をどのように出ているとみてらっしゃいますでしょうか。影響が出るのは 後ずれしていくとの指摘もありますけれども、このハードデータに出てくる影響と いうのは、どのくらいまで確認する時間をかけていく方針でいらっしゃいますでし ょうか。
二点目につきましてですが、ETFの売却について伺い ます。発表を受けて、今日 株価が大きく値下がりをしているところでありますが、この市場の反応について、 植田総裁はどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。また、今後の売却 に伴う影響を最小限にとのことなんですけれども、少ない量を売却していって、長 い時間をかける方針ですが、これに伴うメリットとデメリットをどのように議論さ れて、植田総裁はどのように評価されていらっしゃいますでしょうか。
(答) 関税の日本経済への影響を現在どうみていて、今後どういうふうに確認できるかと いうご質問だったと思いますが、先ほどちょっ と申し上げましたように、これまで のところ、例えば、8 月ですか、日本の米国向け輸出はかなりはっきりと減少して います。その少なくとも一部は、申し上げたように、それまでの駆け込みの輸出と、 それがなくなってきたという反動のところが大きく出ていると思います。ただ、関 税率が上がったことによって、例えば、それが日本の輸出数量に大きなマイナスの 影響を及ぼし始めているというところには、まだ来ていないというふうにみていま す。そうなるケースとしては、先ほど質疑がやはりありましたように、関税がアメ リカの消費者物価に転嫁されて、それ でアメリカの消費、例えばですが、が減少し て、それで日本の輸出が低下するということが典型的なケースとして考えられます が、まだそこには至っていないというふうにみています。今後そうなるかもしれな いですし、出てくるにしてもあまり大したことはなくて済むかもしれない。そこは ちょっとみてみないと分からないということでございます。
それから、ETF購入について、今日の株価の反応をどうみるかという点について は、いつもの通りでございますが、短期的な市場の動向についてはコメントを差し 控えさせて頂きます。それから、この売却を 速く進めることと、遅く進めることで、 メリット・デメリットをどう。
(問) 長期間にわたって進めていくことについてのメリットとデメリットをどのようにみ ていらっしゃるかという点です。
(答) メリットは、市場への攪乱的な影響を、少しずつ売ることによって、小さくするこ とができるということでございます。デメリットとしては、私どもが株をたくさん 持っていることが、何らかの、それこそデメリットがあるとしますと、それをゆっ くりとしか減らしていかないんですから、そのデメリットが長続きしてしまうとい うデメリットがございます。この点に関しては、私ども、例えば、企業、コーポレ
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ートガバナンスに対する影響を考えなくてはいけないというような、私どものET F保有がですね、批判を受けてきているところですけれども、それに対して 、例え ば、投信委託会社を通じて議決権行使をするというようなことを通じて、そのデメ リットをなるべく小さくするという努力をしてきています。従って、デメリットは あるというふうには考えていますが、それが必ずしもものすご く大きくはないとい うふうに考えていますので、少しずつ売却していくということでも OKなのかなと いうふうにみているところでございます。
(問) 利上げの判断について、一点伺います。総裁の経済・物価の見通しについて、もう 少しデータをみて判断されたいというふうなことをご説明されてましたけども、日 銀の生活意識 に関するアンケート調査だと、物価が上がっているという回答の割合 が 7 割台後半だったり、物価上昇についてどちらかといえば困っているというよう な回答が 8 割台後半に上ってます。日銀と国民の意識に何かずれがあるような気も するんですけど、判断が慎重過ぎるということはないんでしょうか。総裁のお考え をお聞かせください。
(答) 国民の皆さんは、消費者物価総合の動きをご覧になって、それが現状でも 2%台後 半であってすごい高い、数年間にわたって 2%を超えているというところから、日 本銀行の対応が遅れているという感じをお持ちになる んだと思いますが、もちろん、 私ども高いインフレ率が国民生活に強いマイナスの影響を与えていることは意識し ております。ただ、日頃申し上げていますように、ここでの、あるいはいつもそう かもしれませんが、私どもの重要な使命としては、2%のインフレ率を持続的・安定 的に実現するということを達成したいということで動いております。そのため、な かなかご理解頂けない面もありますが、基調的物価上昇率というところに特に注目 して政策運営をしてきております。繰り返しになりますが、それが 2%に上がって いく過程にあるという中で、緩和的な政策 を維持しているということでございます。
(問) 今ですね、自民党総裁選 が行われていて、与党が少数ということで政治もまた不安 定さが増しているようにみえるんですけども、こうした国内政治の不安定さという のはですね、政策運営に当たってどのような影響を与えているとお考えでしょうか。
(答) 政治の動きについては、具体的なコメントは差し控えさせて頂けたらと思います。 例えば、新しい自民党の体制とか、次の総理が決まって政策が決まっていくという ことになりましたら、それは私どもの経済・物価見通しには織り込んだうえで政策 対応をさせて頂くということになるかと思います。
(問) 日銀はですね、金融不均衡の発生についてですね注視していくと、いわゆるバブル の発生を警戒するということもですね目標に掲げてきているんだと思いますけれど も、それを目標掲げてから初めてと言えるぐらいの株式市場の高騰ぶりや、不動産
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の上昇、基準地価にみられるようなですね、が起こっているのかなと思います。そ ういう意味では、このいいタイミングでこの二つの売却を始められたなという感想 を持っておりますけれども、現在の足元の市場の動き、株ですね、あるいはその不 動産の動きにつ いてはバブル的な症状とみておられるのかどうかと、それへの警鐘 のような意味も含めて、このETFとREITの売却を始められることを決めるこ との一つの要因になったのかどうかを聞かせて頂けますでしょうか。
(答) まず、ETF等の売却に関する今日の決定は、最初に申し上げましたように、現在 の株価水準等を材料として決めたものではないということでございます。そのうえ で、現在の資産価格水準についてどうみるかという点については、直近では 7 月の 展望レポートの中で、確か第2の柱で点検をし、その時点では資産市場あるいは金 融機関による与信活動に過熱感はないという判断を下していましたけれども、次は 10 月の展望レポートがありますので、そこで改めて点検させて頂き報告させて頂け るかと思います。
(問) アメリカの関税の国内外の経済・物価に対する影響を見極めるうえで、例えば 10 月 の決定会合までには日銀短観ですとか支店長会議などがある。それから 10 月会合の 段階で影響を見極められないとしても、その後アメリカのクリスマス商戦の影響と いうのが、12 月会合もしくは 1 月会合の段階で見極められるようになってくるとい うことで、10 月会合から来年 1 月会合にかけてっていうのが、日銀の次の利上げっ ていうのを判断するうえで重要な会合になってくるのではないかなと思うんですけ れども、この点についてお考えをお聞かせください。
(答) アメリカの関税のアメリカ経済への影響を 判断するのにどういうデータがどういう タイミングで重要かということですけれども、これは次々といろんなデータが出て きますし、消費者物価への関税の転嫁、ゆっくりですので、どこまでみれば大丈夫 かということもなかなかはっきりしないと思います。ただ、最後までみなければ分 からないというわけではなくて、逐次入ってくる情報に基づいて、全体の姿がどう いうふうになりつつあるかということを予想して、われわれ動かざるを得ないんだ と思います。そういう予想にある程度確度、そういう言葉をいつも使って恐縮です が、が持てれば、大体関税の影響は これくらいだということを頭に置いて、その他 の日本経済の動向とか政策の判断をしていけるということだと思います。例えばク リスマス商戦でも、日本からの船便の荷動きですか、こういうのをみることでもあ る程度情報が分かるわけでして、それで十分と言ってるわけではないですけれども、 いろんな情報が次々に入ってくるということではあります。
(問) ETF、J-REITで、売却をするのに 100 年以上かかるということですけれど も、国債はもしかすると 100 年かけても処理できないかもしれません。こういうそ の何世代もかけて後始末をしなければいけないような金融政策っていうのは果たし て中央銀行に許されるんでしょうか。
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(答) これは、そういういろんな問題を抱えているということは十分に認識したうえで、 私どもは今日、例えばETF等の処分を開始する という決定をさせて頂いたところ であります。全体像の評価は、先ほども申し上げましたが、処分がある程度進んで、 当初のメリットと 、処分していく過程がどれくらいスムーズにいったか、というよ うなことをまとめて総合的に評価するということにならざるを得ないのかなという ふうに思います。
(問) これからのことではなくて、過去十数年ですね、異次元緩和全体として、こういう 後始末をしなければいけないことをやったことは、中央銀行に許されたんでしょう か。
(答) 許されたかどうかということは、私が判断できることではないと思うんですけれど も、その政策全体の評価ということは、繰り返しになりますけれども、これから出 てくるかもしれない副作用を含めて評価して 頂くしかないということだと思います。
(問) 端的に教えて頂きたいんですが、前回の展望レポートでは、経済の先行きのリス ク・バランスは下振れリスクの方が大きいというご判断を示されてたと思うんです が、その辺のリスク・バランスのご認識は変わってないんでしょうか、現時点で。
(答) 下振れリスクがそこそこあるという認識で依然としております。ただ、先ほど来申 し上げているように、例えば、アメリカ経済についての下振れリスクはこれまでの ところはそれほどは顕現化してないけれども、今後出てくる可能性はまだ依然とし て残っているという見方でございます。
(問) ETFの売却について、株価の水準には関係ないというコメントがあったと思うん ですけども、もともとこれリスク・プレミアムに働きかけるというふうにして始ま っていった政策だと思います。そのリスク・プレミアムという観点からは、株式市 場の質的な変化であるとか、何か効果があったんでしょうか。それとも銀行保有の 株式の処分が一巡して、そういうタイミングだったので、ETFの売却にっていう ことなんでしょうか。
(答) 私どもが行った分析の結果等も含めてお答えしますと、リスク・プレミアム一般 に うまく働きかけたとかいうよりも、リスク・プレミアムが異常に高まったようなと きに、それを抑えるかたちでこのETFの購入が働いたということでございます。 そういうふうにリスクを取れないマーケット、場合によってはリスクをなかなか取 れなくなってしまうというマーケットであったのが、だんだん正常化されてきたこ
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とによって、そういう措置を続けていく必要性がなくなったという判断でございま す。
(問) ETFの売却についてなんですが、本日の売却について、市場の方では事前に予測 されてる方っていうのがほとんどいなかったと思います 。先ほどの質問の中にも、 この案件についてはガイダンスがしづらいというお話をされていたと思うんですが、 ちょっとそのガイダンスがしづらいというところを、改めてなぜそういうことがし づらいのかっていうことと、あと今日出された方針の中に、基本方針やその売却の 経験を踏まえて今後売却ペースを見直すこともありますというふうに書いてあると 思うんですが、これどのような経験をどのぐらい積むと、見直しを考えられるのか、 他の国債減額のときとかも定期的にチェックをしてると思うんですが、この見直し に関してはどういうものが蓄積されると、そ ういうことができるのかっていうのを ちょっと教えてください。
(答) これは直接、ETFを売買、今回は売却するという決定ですので、まだ売ってはい ないわけですけれども、売るというアナウンスをしただけで、マーケットに影響も 出ているという種類の政策であります。これをフォワードガイダンス的にうまくガ イダンスしていくというのは非常に難しいという意味で、先ほど申し上げたところ でございます。それから売却ペースを見直すということがあるとすると、どういう ことがあった場合にか、ということでございますけれども、一応、金融機関からの 株式購入は、10 年くらいかかってその中でこれくらいの売却だとインパクトがある、 ないということの経験を蓄積していますので、それに匹敵するような何か新しい知 見の蓄積があったかどうか、今後出てくるかどうかということになるかと思います。
(問) もう少し利上げまでの距離ということについてお伺いしたいんですけれども、もち ろん不確実性というのは依然存在するわけですが、前回会合の後でもその確度って いうのは少しずつ高まっていると、見通し通り来ているっていうのを、ここ数回の 会合でも日銀は確認されてきてます。そういう意味では、利上げまで少しずつ日銀 は前進していると考えていいのかどうか。というのも、今日お二人の審議委員の方 も政策維持、金利維持に反対されています。そういったことも含めてお願いしたい。
もう一つ、短くなんですけれども、為替についてですね、まだFed が利下げした にもかかわらず、Fedの先行きってのもありますけれども、円っていうのが結構 円安水準で推移しています。そこについて、これだけ円安なんだから、物価上昇圧 力を懸念して日銀は利上げすべきじゃないかという見方がありますけど、総裁はそ んなに懸念してらっしゃらないという理解でいいのかどうかお願い致します。
(答) 利上げの判断ですけれども、これは今日お話してきたことの繰り返しになりますけ れども、関税政策の、特に下振れ方向での日本の景気・物価へのリスクがどれくら い顕在化するかということ、それから逆方向では食料 品価格インフレが見通し通り
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収まっていくかどうか、こういうことを丹念に点検していくということになるかと 思います。
それから為替の円安の質問については、いつもの通りで恐縮ですけれども、為替レ ートについては、短期的な動向についてはコメントを差し控えさせて頂きます。
(注)会見では「金融機関からの株式買入れ」と発言しましたが、正しくは「金融 機関から買い入れた株式の売却」です。
以 上
The Cadence Brief
The one number that moved central bank pricing — delivered each weekday morning.